★ かなり古い録音録画で最初のほうは雑音があるが、圧倒的な歌に引き込まれてただ息をのむだけ・・・
マリオ・デル・モナコの喉はどうなっているんだ、ってコメントが流れているけれど、ステージのために一日中無声音で話し、喉をかばってきたし、歌うだけのために全存在をかけてきた凄い生活だった。「修道僧のようだ」ともいわれた。
出番が近づくと極度に怖れ、「帰る!もう歌えない」といい、夫人に蹴飛ばされて舞台に出たのは有名。しかし一声で聴衆を魅了。
マリオ・デル・モナコ:レオンカヴァルッロ作曲『道化師』~ごめんください、皆様方。
★ もう一曲、ヴェルディ『マクベス』よりマクダッフのアリア「ああ、父の手は」
シェイクスピアの「マクベス」をヴェルディが作曲、マクベスに妻子を殺された武人マクダッフが「ああ、父の手はお前たちの盾となれなかった、神よ、ご照覧を、必ずこの仇はとります」と誓う。マリオ・デル・モナコがいつも好んで歌うアリアだった。
第二次世界大戦に敗戦国となったイタリアは、兵役を終えてオペラ界に再び現れたマリオ・デル・モナコの悲壮で誇り高い英雄的な声に歓喜した。
La paterna mano - Mario Del Monaco