ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

アメリカの名歌手ジェームス・キングはヒトラーの時代に活躍した悲劇の名歌手マックス・ローレンツの教えを受け尊い「芸術の伝承」

2017年06月11日 | オペラ

ドイツのあの時代に活躍した「悲劇の名歌手」、マックス・ローレンツのドキュメント動画を見ていたら最後のほうでジェームス・キング(アメリカ出身のヘルデン・テノーレ・・・英雄的な声のテノーレ)を教えアドヴァイスをしたとローレンツは言っていた。

ローレンツの事は私は何度もこのブログに書いてきたが、夫人がユダヤ人でありヒトラーのあの時代にヴァーグナーのオペラの主役を務め、ヒトラーがローレンツをつかわないほうが、とヴァーグナー家に言うと「ローレンツなしではバイロイトは成り立たない」と反論さた。

しかし戦後はローレンツへの非難はすさまじく花束もなし、声をかける人もなし・・・。
その後はメルヒオールが主役の座をとってかわったというが、朗々と歌うメルヒオールと心にしみわたるようなヒロイックなローレンツとは全く異なったタイプだ。

どちらも偉大な歌手だったが、私はローレンツの歌が心に響いた。

そこでローレンツの生涯を描いた動画を見ることにした。
https://www.youtube.com/watch?v=oQKmK9EUAjc
最後の47分30秒に「ジェームス・キング」とのツーショットの写真があり、ローレンツ自身が彼を教えアドヴィスをしたという。
「ジェームス・キング」は以前からその真摯な歌い方が好きでどこかでローレンツを思い起こしていて、二人を並べて「ブログのティールーム」に書いたことがある。
http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/2a36fab8afab6640ad151f15b3ce8c84

ジェームス・キングは上背はなくズングリした体格、しかし彼の誠意ある歌い方に「頭が下がる」という言葉がふさわしく、敬意を持って聴いていた歌手であった。

そのジェームス・キングが1993年にドイツでインタビューを受けている。
キングの経歴もまたそのインタビューにも「ローレンツ」の名前は出てこない。
しかし「ローレンツ」との出会いは彼に決定的ともいえる影響があったように思えた。


James King - Da Capo - Interview with August Everding, 1993
最初はバリトンとしてマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の馬車屋の親方アルフイオを歌ったり回り道をしたようだ。
4分20秒ごろにドイツ語で歌ったヴェルディ「ドン・カルロ」があり、16分ごろに「ダフネ」、
23分ごろにヴァーグナー「ヴァルキューレ」から<冬の嵐は過ぎ去り>が聴かせどころ。

ここでジェームス・キングも述べているが、ジークムントはバリトン的、かつてメルヒオールもバリトンだった、後にテノーレになるが・・・。(ジェームス・キングはメルキオールと発音している)

ところで楚々とした美人のジークリンデはオランダのソプラノ、グレ・ブラウエンスタインである。
ここでは歌うところがないが声を聴きたくなって探してみた。
ヴァーグナー「ローエングリン」から<エルザの夢>を歌っている。
なんとジェームス・キングより10歳年上。1999年に84歳で没。
https://www.youtube.com/watch?v=c7O7Evb8NSc


もとの動画に戻るが、31分から1963年の東京公演でベートーヴェン「フィデリオ」でクリスタ・ルートヴィヒとの貴重な共演の映像がある。それから先、他にもあるが以上が特に印象的。
イタリアオペラを歌った話をしていたが、36分30秒に衰えぬ素晴らしい高音をきかせている。

ジェームス・キングは2005年に没、ぜひ生の声を聴いておきたかった。




次は政治のことを書きます・・・なんだか行き詰って、このままで日本はどうなるのかしら・・・。


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