その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ヴェルディ 『ドン・カルロ』 (ロイヤル・オペラ・ハウス)

2009-10-31 06:38:49 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 随分時間が経ってしまいましたが、先日、ロイヤル・オペラ・ハウスに「ドン・カルロ」を見に行きました。

 今回はなんと(たったの)13ポンドのストールサークルという席で、舞台袖すぐ横の席です。正直、舞台は1/3ぐらいしか見えない。でも、手が届きそうな、目の前で歌手陣とオーケストラが繰り広げる音の饗宴と手に取るように分かる歌手の表情、動作に表れる演技力は、見るものに強烈な印象を残してくれます。3階席、4階席からとは全く違う世界がそこにはありました。


 作品自体は全く初めてで、馴染みのあるアリアも一つもありませんでしたが、劇的な物語と音楽のスケールに圧倒された4時間半(演奏時間は3時間40分ほど)でした。

 歌手陣では、ドン・カルロのカフマンとロドリコのKeenlysideの両名がイケ面かつ歌・演技も素晴らしく、とても華のあるコンビでした。2人が友情を確かめ合う場面などは本当に涙が出てきます。

 また、男性バリトン陣が凄い。フリップ2世のFurlanetto、カルロス5世のLloyd、大審問官のTomlinson存在感が際立っています。特に、Furlanettoの孤独の演技は素晴らしいです。

 女性陣は男性陣に比較すると地味ですが、エリザベス役のPoplavskayaは声量の大きな、高い声で、いい歌を聴かせてくれました。エボリ公女のCornettiはちょっと役柄のイメージとは異なりますが、迫力あるソプラノが良かったです。

 オーケストラも緻密な表現でした。喜怒哀楽を巧みに音楽に染み込ませるベルディの素晴らしさに感嘆せざる得ません。

 長い物語ですが、是非もう一度見てみたいと思う舞台でした。これが13ポンドというのは信じ難いです。

 ※写真は碌なものが撮れず、がっかり。




※Intermezzoさんから借用


Don Carlo
Thursday October 01 6:00 PM

Credits
Composer: Giuseppe Verdi
Director: Nicholas Hytner
Designs: Bob Crowley
Lighting Design: Mark Henderson
Movement: Scarlett Mackmin
Fight Director: Terry King

Performers
Conductor: Semyon Bychkov
Don Carlo: Jonas Kaufmann
Elisabetta di Valois: Marina Poplavskaya
Rodrigo: Simon Keenlyside
Philip II: Ferruccio Furlanetto
Princess Eboli: Marianne Cornetti
Tebaldo: Pumeza Matshikiza
Grand Inquisito: John Tomlinson
Conte di Lerma : Robert Anthony Gardiner§
Carlos V: Robert Lloyd
Flemish Deputies: Dawid Kimberg§
Changhan Lim§, David Stout
John Cunningham,Daniel Grice
Lukas Jakobski§
Voice from Heaven: Eri Nakamura
コメント
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