会期終了間近のメトロポリタン美術館展を見に、東京都立美術館に足を運びました。
事前に本展覧会のHPを見て、捉えどころの難しい企画内容やどうしても見たい絵があるわけではなかったこと、そしてきっと凄い人ごみであることも間違いないので、二の足を踏んでいたのですが、お正月の時間を使って訪れてみました。
確かに、「「自然」を切り口として、絵画のみならず工芸品、彫刻、写真作品などにより、古代メソポタミア文明から現代までのエッセンスを紹介する本展」(HPより)は、エリアごとにテーマに分かれてはいるものの、私には作品分類のためのこじつけにしか見えないところもあり、展覧会としての物語が感じとれる企画とは言い難いところがありました。ただ、個々の作品は「さすがメトロポリタン美術館」と言うべき素晴らしいものがあり、行っておいて良かったと思わせてくれる展覧会でした。
特に、目玉作品とも言えるゴッホの糸杉(下図参照)は、厚い絵の具の盛り上がりによる、3次元的な筆致は、画集やパソコン画像では絶対にわからない、実物の迫力。
あと、私には馴染がない人だったのですが、ジュール・プルトンというフランス画家の《草取りをする人々》という絵は、ミレーに似たモチーフ(良く比較されるそうです)を、ミレーに勝るとも劣らない素朴さと、ミレーには無い明るさを感じさせる絵で、好みです。
また、ティントレットの《モーセの発見》(下図参照)、ヘリ・メット・デ・ブレスの工房による,《聖アントニウスの誘惑》なども良かったし、ターナー(下図参照)、コンスタブル、ゲインズバラといったイギリス人画家の絵があったのも個人的には嬉しかったです。
今年は私の知っている限りで、エル・グレコ展、ターナー展、ラファエロ展等の大物画家の展覧会が開かれるようです。絵好きには楽しみな1年になりそうです。
※1月4日まで。公式HPはこちら→
2013年1月2日