
「カルテット! 人生のオペラハウス」を観た。イギリスの田園の中に建つカントリーハウスが元音楽家達が集まる老人ホームになっている。そこで余生を送る往年のオペラスター四人の愛、友情、誇りが描かれる。ダスティン・ホフマンの初監督作品である。
ダスティン・ホフマンが監督ではあるが、BBC製作のイギリス映画である。イギリス映画らしい、実力俳優陣、気の利いた会話、風景の美しさが揃う中で展開する映画は、自然体で誇張がなく、好感が持てる佳作である。
マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズの俳優陣の熟練の演技が渋く、安定していて、スクリーンに揺らぎがない。特に、ウィルフ役のビリー・コノリーのちょい悪ジジイの役柄は、下品ながらもウイットが効いており楽しめた。私もあんな爺さんになりたいものだ。
全編を通じて流れる音楽も耳に心地よい。椿姫、リゴレット、トスカなどのオペラの名曲やバッハ、シューベルト、ハイドンなどの曲も楽しめる。音楽の素晴らしさを再認識できる。
カントリーハウス周辺のイギリスの田園風景も何とも美しい。イギリスの素朴な自然をそのまま切り取った映像にはうっとりさせられる。
ほのぼのとあたたかい気持ちにさせられ、後味が良い映画である。
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監督 ダスティン・ホフマン
製作 フィノラ・ドワイヤー スチュワート・マッキノン
製作総指揮 ジェイミー・ローレンソン ダリオ・ズーター
キャスト
マギー・スミス: ジーン・ホートン
トム・コートネイ: レジナルド・“レジー”・パジェット
ビリー・コノリー: ウィルフレッド・“ウィルフ”・ボンド
ポーリーン・コリンズ: セシリー・“シシー”・ロブソン
マイケル・ガンボン: セドリック・リビングストン