その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

クラーク・コレクション @三菱一号館美術館

2013-05-26 06:53:16 | 美術展(2012.8~)
 最終日前日にクラーク・コレクションへ。行こう行こうと思いつつ足を運べてなかったので、半分諦めかけていたのですが、いつも当ブログにコメントを寄せて頂いているsonyさんから「必見」とのアドバイスを貰い、これは行かねばと三菱一号館美術館を訪れました。かなりの混雑ぶりとの情報があったので、今回も閉館前狙いで18:00過ぎに入館。それなりに混んではいたものの、鑑賞には差障りがない程度でした。

 「奇跡のクラコレ」と結構大袈裟なキャッチ・フレーズがついた展覧会なのですが、大げさであるものの、あながち嘘ではないとの印象でした。正直、ボストンやニュー・ヨークから其々2時間以上もかかる田舎町にある美術館とは思えない充実したコレクションです。当然、今回の展示品は全体コレクションの一部でしょうから、全体では更に幅広いでしょう。


《「鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)」を使ったポスター》

 印象派、特にルノアールの展示が目玉です。私は、ルノアールの人物画が大好きなので、たまらない作品群でした。ポスターにもなっていた「鳥と少女」を初め、「若い娘の肖像」、「うちわを持つ少女」「かぎ針編みをする少女」など、ルノアールの描く少女達は何と可愛らしいのか。無垢で、優しく、明るい。特に、少女趣味はない私でも見とれてしまいます。


《「劇場の桟敷席(音楽会にて)」を使ったポスター》

 今回の展覧会の目玉でもある「劇場の桟敷席」は思っていた以上に大型の絵で、チラシの絵とは大きく印象が異なりました。正面の女性は、正面をしっかり見据え、優しさの中にも迫力があり、強く訴えていました。

 ルノアール以外にも、モネ、シスレー、ピサロなどの印象派の代表的画家達の風景画も充実しています。私は、素朴な中に優しく、暖かい表現をするピサロの風景画が好みなので、これもまた嬉しいものでした。

 印象派に対して、当時のサロン系の画家ジャン=レオン・ジュロームやウィリアム=アドルフ・ブグローの絵も、印象派との対比としても興味深く、楽しみ方はいろいろです。

 東京での展示は本日26日で終了。この後、6月から兵庫県立美術館へ巡回するようですので、関西エリアの方には、強くお勧め致します。

2013年5月25日 訪問
コメント (2)
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