その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ラファエロ展 @国立西洋美術館

2013-05-18 00:13:05 | 美術展(2012.8~)


 念願のラファエロ展に行きました。悔しいことに、会期前に購入した前売り券を紛失してしまい、2度購入する羽目に。そんなこともあって、気合満点で臨んでいます。土曜日ということでそれなりの混雑覚悟で国立西洋美術館に向かったのですが、夕方を狙ったのが功を奏したのか、ゆっくり、ゆったりと鑑賞できました。

 もともとルネッサンス期の絵画は、重厚で、疲れる印象があって苦手意識があったのですが、欧州滞在中に、その活力、スケール、繊細さにすっかり魅了されました。特に、ラファエロは、その優美さが好きで、欧州内の美術館を訪れた際は、時間をかけて観ていました。

 今回の特別展は、若き日のラファエロから、フィレンチェ時代、ローマ時代と年代を追って、ラファエロの絵画、タペストリー下絵、影響を与えた人や与えられた人の絵画等が広範囲に展示してあります。目玉の「聖母子」を初め、ラファエロの魅力を存分に伝えてくれるものです。柔らかく、温かい色彩やタッチ。細かく丁寧に描かれたディテール。温厚な性格だったというラファエロの人柄そのものが絵に現れているような気がします。特に、「聖母子」の高貴さは格別で、愛、平安、永遠という思想をこれほど完璧に表す絵画は滅多にないと思います。絵を見ているだけで、しみじみと幸福感に浸れます。

 前回の「フランシス・ベーコン展」からなのですが、閉館1時間半前の入館はお奨めです。朝方、日中のような混雑は避けられますし、特に閉館15分前位になると疎らになってきます。閉館10分前に「聖母子」の絵に立ち戻り、一人で独占鑑賞する贅沢さは東京の美術展では得難いものです。

 6月頭までの開催なのでできればもう一度行きたいのですが、機会を作れるでしょうか?他にも行きたい美術展が沢山あるし・・・。贅沢な悩みです。



 2013年5月11日


コメント (2)
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