その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

チェンバーミュージック・ガラ・コンサート @調布国際音楽祭

2017-06-13 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 今年も調布音楽祭が始まりました。今年から、名前に「国際」がついて、調布国際音楽祭とグローバル化。イベントが集中するのは来週末ですが、皮きりのコンサート「チェンバーミュージック・ガラ・コンサート」に行ってきました。東京クヮルテット創立メンバーの原田幸一郎さんと磯村和英さん、そして元読響ソロチェリストの毛利伯郎さんが登場します。

 東京クヮルテットは私には少しだけ特別な存在。ロンドン在住時に、近くの公立図書館にはクラシックのCDコーナーがあって、小さなCD屋さんぐらいのコレクションがありました。日本所縁の楽団を探すと、何枚か所蔵されていたのが、東京クヮルテットとバッハ・コレギウム・ジャパン。無知な私が、「東京クヮルテットって、何もの?」って調べてみたもたら、1969年にニューヨークで創設され、ばりばりグローバルに活躍していた楽団ということを知りました。残念なことに2013年に44年の活動を終え解散したということで、私にとっては「伝説の」四重楽団となっていたのです。

 愁眉は、後半のブラームス弦楽六重奏曲第1番。とっても有名な曲だと思いますが、室内楽にあまり経験のない私は、生で聴くのは初めて。3人衆が引っ張る音楽は実に骨太で、力強い。皆さんそれなりのご年齢にお見受けしますが、円熟さと剛毅さが両立した、実にエキサイティングな演奏です。楽器と楽器のコミュニケーションも活発で、聴いていて胸が躍る気分。各楽器のセカンドで就いた若手奏者が名人に必死に食らいついていくさまも、弟子が師匠を乗り越えようと果敢に挑んでいるように見え頼もしいものでした。

 前半は、3名人によるシューベルト弦楽三重奏曲に始まり、その後は若手演奏家が入れ代わり立ち代わりに演奏し、室内楽の楽しさを披露してくれました。見た目に影響されてるかもしれませんが、若いエネルギーを感じる演奏で、とっても好感が持てます。ベテランと若手が交って、コンサートの雰囲気もアットホームで、暖かい。市民音楽祭だけど、国際を目指す、グローカルな演奏会でありました。

 来週末も楽しみです。


日時:6月11日(日)14:00〜
場所:調布市文化会館たづくり くすのきホール
出演:
原田 幸一郎(ヴァイオリン)
磯村 和英(ヴィオラ)
毛利 伯郎(チェロ) ほか

プログラム
シューベルト:弦楽三重奏曲 変ロ長調 D471 ◦原田幸一郎(ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、毛利伯郎(チェロ)
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 作品8 から 第1楽章 ◦白井麻友(ヴァイオリン)、秋津瑞貴(チェロ)、高橋里奈(ピアノ)
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 作品65 から 第1楽章 ◦レイア・トリオ(ピアノ三重奏)[小川響子(ヴァイオリン)、加藤陽子(チェロ)、稲生亜沙紀(ピアノ)]
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44 から 第1楽章 ◦原田幸一郎(第1ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、トリオ デルアルテ[内野佑佳子(第2ヴァイオリン)、金子遥亮(チェロ)、久保山菜摘(ピアノ)]
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20 から 第1楽章 ◦アミクス弦楽四重奏団&アルネア・カルテット[宮川奈々(第1ヴァイオリン)、山縣郁音(第2ヴァイオリン)、宮本有里(第3ヴァイオリン)、今高友香(第4ヴァイオリン)、山本 周(第1ヴィオラ)、川上拓人(第2ヴィオラ)、松本亜優(第1チェロ)、清水唯史(第2チェロ)]
ブラームス:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18 ◦原田幸一郎(第1ヴァイオリン)、小川響子(第2ヴァイオリン)、磯村和英(第1ヴィオラ)、福井 萌(第2ヴィオラ)、毛利伯郎(第1チェロ)、加藤陽子(第2チェロ)
コメント
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