ウィギリウス・エリクセン《戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像》・・・この絵だけ写真撮影可
ロンドン駐在時に欧州のメジャーな美術館はそれなりに訪れたけど、エルミタージュ美術館は「行きたいリスト」に載せたものの、結局行けずじまいだった。その美術館からの特別展ということで、時間を縫って駆け足で廻ってきた。
イタリア・ルネッサンス期から近代絵画前までの西洋絵画(いわゆるオールドマスターの作品)が贅沢に並んでいる。ティツィアーノ、カナレット、ハルス、レンブラント、ブリューゲル(子)、ムリーリョ、シャルダン、クラーナハなどなど、知っている画家ばかりであるが、初めて見る絵ばかりで胸を躍らせ鑑賞した。
展示は国別に部屋が区切られ、イタリア、オランダ、フランドル、スペイン、フランス、英国・ドイツと続く。もちろん時代区分の差分もあるが、国が変わると画風も大きく変わるのが興味深い。やっぱり、私はイタリア・ルネッサンス、オランダ、北方ルネッサンスが好みで、フランスのロココ調は苦手だ。
私的なお勧め下の4枚。レンブラントの《運命を悟るハマン》は下敷きは旧約聖書とのことだが、そうでなくても物語が作れそうな劇的なシーンだ。スルバラン《聖母マリアの少女時代》は何か将来を見据えるような上目使いの少女マリアが何とも愛らしい。クラーナハの聖母子は、聖母の落ち着いた目の描き方とこちらに飛び出してでもきそうな笑みを浮かべる幼児イエスのバランスが素敵だ。
森アーツギャラリーは、平日でも夜間20時まで開館しているのがうれしい。東京では18日までなので、まだの人は是非。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像》1538年 油彩・カンヴァス
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《運命を悟るハマン》1660年代前半 油彩・カンヴァス
フランシスコ・デ・スルバラン《聖母マリアの少女時代》1660年頃 油彩・カンヴァス
ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》1530年頃 油彩・カンヴァス