その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

パーヴォさんのフランス・プラグラム/N響6月定期Aプロ

2017-06-26 07:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 2月以来のパーヴォさんの登壇。前回から4ヶ月しか経ってないんですが、随分久しぶりの感じがしました。今日は、デュティユー、サン・サーンス、ラヴェルというフランス・プログラム。これまで、パーヴォさんではロシアもの、ドイツ・オーストリアものを中心に聴いてきましたが、レパートリーの広さに驚かされます。

 デュティユー〈メタボール〉に続いては、河村尚子さんのサン・サーンスピアノ協奏曲2番。河村さんは4年前にラザレフ、日フィルとの共演でラフマニノフ〈パガニーニの主題による狂詩曲〉を聴いていますが、(失礼ながら)あまり記憶に残ってません。今日の河村さんは、緑の艶やかなドレスに身を包み、自信ある笑顔で現れました。

 演奏は力強さと繊細を併せ持った印象的なものでした。私はこの曲を初めて聴いたので、演奏についてコメントする資格はないのですが、キレがあって、華やかな演奏は、梅雨の湿っぽさを吹き飛ばしてくれました。

 後半、ラヴェルの〈優雅で感傷的なワルツ〉はまさに題名通りの曲。ワルツの軽やかなリズムに乗ったオーケストラのアンサンブルが耳に心地良いです。ラストで音が消えても(消えたように聴こえた後も)パーヴォさんの腕がなかなか降りず、長くホールが静寂に包まれました。

 ラストの「ダフニスとクロエ」組曲第2番は、N響の優れた合奏力が遺憾なく発揮された秀演。合唱版でなかったのは残念だったけど、この曲はいつ聴いても良いですね。色彩感豊かで、聴き応え満点でした。

 来週はシューマン、シューベルトとドイツ・オーストリア系プログラム。こちらも楽しみです。


《河村さんのアンコール曲》

第1862回 定期公演 Aプログラム
2017年6月25日(日) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール

デュティユー/メタボール(1964)
サン・サーンス/ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22
ラヴェル/優雅で感傷的なワルツ
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲 第2番

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ:河村尚子

No.1862 Subscription (Program A)

Sunday, June 25, 2017 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall

Dutilleux / Métaboles (1964)
Saint-Saëns / Piano Concerto No.2 g minor op.22
Ravel / Valses nobles et sentimentales
Ravel / “Daphnis et Chloé”, suite No.2

Paavo Järvi, conductor
Hisako Kawamura, piano
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