その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

圧倒的迫力: 清水 潔 『殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮文庫、2016)

2017-06-07 08:00:00 | 


 群馬県太田市と栃木県足利市で起こった連続幼女誘拐殺人における冤罪を調査報道によって覆した軌跡を描く。

 筆者の粘り強く真実を追いかける行動力と記者魂に強い感動を覚えると同時に、「科学捜査」とされたDNA型鑑定の危うさや警察・検察の捜査の杜撰さが怖くなる。

 どんなサスペンス小説よりも引き込まれ、読みだしたら止まらない。

 死刑制度、「科学」捜査、警察・検察の論理、ジャーナリズムについて考える格好のケーススタディでありテキストとなりうる。


目次
第1章 動機
第2章 現場
第3章 受託
第4章 決断
第5章 報道
第6章 成果
第7章 追跡
第8章 混線
第9章 激震
第10章 峠道
第11章 警鐘
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