その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

過去と現在を結ぶユニークな企画:特別展〈三国志〉 @東京国立博物館

2019-08-13 10:03:12 | 美術展(2012.8~)


関羽像 明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵

東京国立博物館で開催中の「三国志展」に行ってきた。

「リアル三国志」というサブタイトルが示す通り、物語としての「三国志」を、三国時代のリアルな歴史文物で追いかけるという企画である。展示には横山光輝の漫画「三国志」の切り取りやNHK人形劇の「三国志」の人形展示、(私には良く分からないが)ゲームの三国志?からのキャラクター引用もあったりして、現代日本人にとっての三国志と歴史としての三国時代を結ぶ、とても工夫が感じられる特別展だ。

私にとっての「三国志」は中学生時代に読み込んだ吉川英治の『三国志』。物語を夢中で追いかけると同時に、英雄たちの栄枯盛衰、人間の器、天命といったものについて考えさせられた。私の愛読書の筆頭で、何度も読み返し、大物から小物に至るまで様々な人間の考えや行動が織りなすドラマを通じて、人間観や人としての徳や知恵を自然と学び影響を受けた。最近はなかなか再読することはないが、昔の記憶を追いながら、興味深く一つ一つの展示を追った。

展示物には中国の一級文物指定を受けているものも多く、物語とよりも中国古代史に興味がある人にも十分な期待に応える内容になっている個人的に特に興味を引いたのは、日本で出土する三角縁神獣鏡との類似性がある方格規矩鳥文鏡。日本の古代史における中国との関連は興味深い。

 
後漢~三国時代(魏)・2~3世紀
1955年、遼寧省遼陽市三道壕1号壁画墓出土
遼寧省博物館蔵


また、歴史文物もさることながら、NHK人形劇三国志の人形が展示してあったのも、同番組を毎週欠かさず視聴していた私にはとっても懐かしかった。

   

会場は老若男女が幅広く訪れていて、普段の東博の特別展とは違った雰囲気が漂っていた。写真も撮り放題というのもファン心をくすぐる。

三国志ファンはMust See。


《構成》
プロローグ 伝説のなかの三国志
第一章 曹操・劉備・孫権―英傑たちのルーツ
第二章 漢王朝の光と影
第三章 魏・蜀・呉―三国の鼎立
第四章 三国歴訪
第五章 曹操高陵と三国大墓
エピローグ 三国の終焉―天下は誰の手に


コメント
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