「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見に上野の東京都美術館を訪れた。上野の美術館は随分久方ぶりである。
何者かに塗りつぶされていたキューピットの画中画が修復によって現れ、オリジナルの姿に戻ったフェルメールの《窓辺で手紙を読む女》が目玉である。所蔵館外では初展示とのことだ。2011年3月にドレスデンを訪問した時に鑑賞しているはずだがあまり記憶に残ってない。柔らかく、温かみある絵は気が休まり、描かれた女性についても色んな想像が膨らむ。ただ私自身は、画集などで修復前の絵になじみがあるせいか、修復前の方がスッキリしていいような気もした。修復過程の展示もあり、その細やかな職人芸に感嘆する。
企画展全体としては、フェルメールの1点豪華主義の印象だ。オランダ絵画は風俗画、風景画、静物画等の展示があるが小粒。レンブラントやステーンもあるが数も少ない。オランダ風俗画好みの私としては、少々、期待はずれというのが正直なところだった。
2022年3月3日訪問