その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響4月A定期、エッシェンバッハ、ベートーヴェン交響曲第7番 @東京芸術劇場

2022-04-14 08:43:48 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

春うららの日曜日の午後、ひと月ぶりの定期演奏会です。座席は9割がた埋まっており、活気漂う会場にワクワク感一杯で席に着きました。

ただ、前半は自分がダメダメでした。早朝からのマスターズ松山選手の観戦や朝ランニングで、開演2分と持たずダウン。冒頭の「謝肉祭」のようなお祭り音楽も夢心地の中で視聴となってしまいました。モーツァルトのフルート協奏曲に至っては、好きな曲でありながら、体を揺り動かして演奏するソロ奏者を見ながら揺り籠で揺られているような感覚になり、気絶。まともだったのは、アンコールでのトトロの音楽ぐらい。残念かつ奏者に申し訳ない気持ちで、情けなし。

気を取り直して迎えた後半のベートーヴェン港曲第7番では、覚醒し、集中して聴くことができました。第1楽章、ゆったりしたスピードで入ったのは意外でしたが、各楽章の間を置かずアタッカによる演奏は尻上がりに熱を帯びた熱演。聴き慣れた曲であるはずなのですが、がっちりと堅固な基礎に壮大な建築物が建てられていくのを見ているような新しい感覚でした。重層的に響くアンサンブルに痺れます。ぼーっとした体に喝を入れる元気が貰えた演奏でした。

先日の〈ローエングリン〉を振ったヤノフスキさんと同様、エッシェンバッハさんも80越えの方ですが、本当にお元気ですね。私の席は指揮ぶりが斜め前方から見えるのですが、必ずしもわかりやすい感じはしないけど、エネルギッシュな指揮に楽員さんがくらいついて行く前のめりの姿勢が手に取るようにわかります。終演後は大きな喝さいを浴びて、楽員さんが引いた後も拍手は続き、一般参賀となりました。

来週のマーラーも楽しみです。次回はしっかり体調整えて行きます。

 

第1954回 定期公演 池袋Aプログラム
2022年4月10日(日)開場 1:00pm 開演 2:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール

ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」作品92
モーツァルト/フルート協奏曲 第1番 ト長調 K. 313
ベートーヴェン/交響曲 第7番 イ長調 作品92

指揮クリストフ・エッシェンバッハ
フルート:スタティス・カラパノス

久石 譲/となりのトトロから「風のとおり道」、ドビュッシー/パンの笛(シランクス)(フルート/スタティス・カラパノス)

 

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