東響のオペラシティシリーズのシーズン開幕コンサート。指揮者はリオネル・ブランギエ。私は初めて聴く方です。
非常に充実したプログラムと演奏でした。4曲それぞれが趣を異なっていますが、私にはわからない関連、繋がりを感じるプログラム。冒頭のサロネンのヘリックスは初めて。「螺旋」を意味する標題そのもので、ぐるぐると周を重ねながら上昇していくような不思議な感覚の音楽です。ボレロを思い起させるように、徐々に音量があがりクライマックスを迎えます。何度か味わってみたい曲です。
2曲目はラヴェルのピアノ協奏曲。白地のスーツで登場した独奏のリーズ・ドゥ・ラ・サールさん。そのピアノは冒頭からキラキラ輝き、躍動的一杯な音色。そして、第2楽章の美しいこと。フルートやイングリッシュホルンとのやりとりにうっとりです。第3楽章も飛び跳ねる生き生きとしたピアノ演奏に魅せられました。
アンコールはシューベルトから。「世界平和を祈って・・・」との紹介がありました(と聞こえた)。
後半、ラヴェル〈高雅で感傷的なワルツ〉は優しさと変化に富む音楽が聴いていて気持ちが踊ります。そして、最後のストラヴィンスキー〈火の鳥〉(1919年版)はダイナミックな絵物語。ホルン、ファゴット、オーボエらの管陣の活躍も光りました。
指揮のブランギエさん、28歳でチューリヒ・トーンハレ管の音楽監督兼首席指揮者に就任しただけあって、素晴らしい統率ぶりでした。大きなジェスチャーでの指揮は格好良く、明確なディレクションに見えます。東響のメンバーがくらいついて行く感じがよくわかりました。是非、今後もいろんなオーケストラで聴いてみたい指揮者です。
終演後、大きく、温かい拍手が続きました。残念だったのは、素晴らしいパフォーマンスのシーズンオープニングコンサートであったにも関わらず、聴衆の入りが半分程度であったこと。もったいないなあ~。東響のオペラシティシリーズ、おすすめですよ。
東京オペラシティシリーズ 第126回
東京オペラシティコンサートホール
2022年04月23日(土)14:00 開演
指揮:リオネル・ブランギエ
ピアノ:リーズ・ドゥ・ラ・サール
サロネン:ヘリックス
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ストラヴィンスキー:「火の鳥」(1919年版)
Tokyo Opera City Series No.126
Sat. 23rd Apr 2022,14:00
Tokyo Opera City Concert Hall
Conductor = Lionel Bringuier
Piano = Lise de la Salle
Esa-Pekka Salonen : Helix
Ravel : Piano Concerto in G major
Ravel : Valses nobles et sentimentales
Stravinsky : Firebird Suite 1919ver.