楽しみにしていたヤノフスキさんとN響の定期公演。期待通りの、心臓バクバクの演奏会でした。
特に、圧巻は後半のシューベルトの交響曲第8番グレート。この曲、実演に接したのは数回です(前回は2017年のパーヴォ、N 響)が、グレートという通称に相応しいスケールですね。プログラムに「顔を上げて堂々たる晴朗な交響曲」とあるように、全体に外向きのエネルギーに満ち溢れていて、元気がいっぱい貰えます。音楽を聴く悦び、快楽を堪能しました。
この日のN響は管も弦も緊張感と集中力が怖いぐらい感じられました。ステージ横のRB席からは、強面のヤノフスキさんの表情も加わって、ステージ空間一杯にただらなぬ「気」が漂っています。
加えて、第2楽章のシューベルトらしい歌心一杯のオーボエの美しさは悶絶級。そして、第4楽章の弦の厚く押し寄せるようなアンサンブルも圧巻です。前のめりで聴いているのですが、気迫と音圧に押されてのけぞりそうなぐらい。
終演後はもう大拍手だったのですが、いつもとは違ったような印象がありました。私の勝手な観察ですが、いつもだと、カーテンコールの際には楽員さんから、演奏が終わった安心感と満足感のような安堵の表情が見て取れるのですが、この日は演奏中の緊張感が暫しそのまま続いているとも、エネルギーを使い果たした放心状態と言う感じともとれる、安心感や満足感とは違った表情に取れました。解散になって、やっとホッとした感じに戻ってきたような。それほど、今回の演奏は楽員さんにとっても、いろんなチャレンジがあったのではと感じました。私の一方的な受け止めなのですが、この辺り、楽員さんの正直な思いを伺ってみたいものです。
前半は、アリョーナ・バーエワさんの独奏によるシューマンのヴァイオリン協奏曲。全く初めて聴く曲だったので、YOUTUBEで1回事前に聴いておきました。細身で長身の体に紅色(に見えた)の目の覚めるようなドレスで登場。現れた瞬間に場を支配するオーラです。演奏姿も凛として、かつ力強い。演奏も意志を感じる力強い響きで、第2楽章は低弦とのやりとり、第3楽章は管楽器とのインターアクションが楽しかった。
アンコールの曲は分かりませんでした(FBでバツェヴィチ作曲、ポーランド奇想曲と判明)が、変化に富んだ音楽で次はどんな音が発せられるのかとじっと固唾を飲んで聴ききました。
池袋芸劇のA定期があと1回で終わりかと思うと寂しいです。RB席と言うステージ至近で指揮者、楽員さんの動き・表情をガン見できて、音圧をダイレクトに受け止められる素晴らしい席だったので、なんとも残念。こういう席にいると、音楽はやっぱり生に限ると、心底思います。
第1956回 定期公演 池袋Aプログラム
2022年5月15日(日)開場 1:00pm 開演 2:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール
シューマン/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
指揮:マレク・ヤノフスキ
ヴァイオリン:アリョーナ・バーエワ
【アンコール曲】バツェヴィチ/ポーランド奇想曲(ヴァイオリン:アリョーナ・バーエワ)
No. 1956 Subscription (Ikebukuro Program A)
Sunday, May 15, 2022 2:00p.m. (Doors open at 1:00p.m.)
Tokyo Metropolitan TheatreSchumann / Violin Concerto D Minor
Schubert / Symphony No. 8 C Major D. 944, The Great
Marek Janowski, conductor
Alena Baeva, violin