その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

まだの人は是非とも! メトロポリタン美術館展 @国立新美術館

2022-05-14 07:30:00 | 美術展(2012.8~)

質量ともに充実の美術展で見応えたっぷりだった。

「目玉」作品と「その他の出番少なし」作品との抱き合わせ美術展とは明確に一線を画している。

ルネサンス期から印象派までの作品が時代別に展示され、さながら西洋美術史実習という感じ。企画としてはスタンダードだが、質の高い各展示作品のため、鑑賞には時間がいくらあっても足りない。65作品中46作品が日本初出品と言うのも嬉しい。

個人的には、前半のルネサンス期の宗教画や17世紀のオランダの風俗画が好み。フラ・アンジェリコ〈キリストの磔刑〉、ピエロ・ディ・コジモの〈狩りの場面〉、フラ・フィリッポ・リッピ〈王座の聖母子と二人の天使〉などは絵から発せられる強力な磁力に引き付けられた。

オランダ絵画では、フェルメール〈信仰の寓意〉には、背景にキリストの磔刑の絵がかかっていた。先日の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」で、修復で塗りつぶされていた背景にキューピットが現れた《窓辺で手紙を読む女》作品を鑑賞したが、本作品は塗りつぶされることがなかったようだ。メツー〈音楽の集い〉、ヤンステーン〈テラスの陽気な集い〉などの風俗画で当時の人々の生活に思いをはせるのも楽しい。

最後にメトロポリタン美術館を訪れてから25年が経っている。また現地に足を運びたいのだが、いつになることやら・・・

これは絶対にお勧めです。

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