笑点〈大喜利〉の司会、レギュラーメンバーとして夫々活躍される春風亭昇太と桂宮地の「二人会」に足を運んだ。
ただ、今回の私のお目当ては、今年のゴールデンウイークに浅草演芸ホールで初実演に接した音曲担当の桂こすみ姐さん。その時は、初めて生で聴く姐さんの三味線と唄、そして越後獅子とともに、プッチーニ「蝶々夫人」での引用部分を歌ってくれたのが感激だった。
今回は後半、トリを務める昇太さんの前に登場。越後獅子も弾いてくれたが、「蝶々夫人」についてはほんの触りだけの歌の披露だったのは残念。
一方で、今回の目玉は七・七・七・五の音律で歌われる「隅田川さえ 竿さすのに・・・」の替え歌。隅田川をナイル川、ラプラタ河に置き換え、曲も思い切って編曲した「干乾しのピラニア」をご披露頂いた。「隅田川・・・」との違いや、現場を想像させる曲と歌が素晴らしい。
昇太さんの紹介によると(落語家のコメントではあるが)「東京学芸大学出身で、ウイーン音楽大学に国費留学もされているとのこと。もともとはリュート弾き」だそうである。歌も三味線も魅力的で素晴らしい上に、差し込まれる楽器や曲の小話も勉強になる。独演会とまでは行かなくても、どっかでもっと長い時間枠でやってもらえないかしら。今後もフォローしていきたい芸人さんである。
落語の方は、前半は前座さん(春風亭昇ちく)の「初天神」に続いて宮地さん。何度か実演聴いているが、いつもながら声の張りと勢いが素晴らしい。演目は「お見立て」。
トリは昇太さん。鉄板の「笑点」ネタの枕から入って、演目は「不動坊」。昇太さんの落語はいつも手軽で、素直に聴きやすい。
今回は最前列の席を確保していたので、ホール落語と言えども、演者さんの表情もしっかり確認できて嬉しかった。
一方で、会場が大きいと動作や声も自然大きくなるので、必ずしも近ければよいというものでもないのかな、という感想もよぎる。いずれにせよ、2時間10分、たっぷり笑って帰路に就いた。今週前半、仕事でストレス続いたので、良い発散になった。「笑い」はとっても大事。
演目
初天神 昇ちく
お見立て 宮治
お仲入り
小すみ
不動坊 昇太