仲間とクマガイソウの自生地見沼の尾島家に行って来た。個人の家の敷地ながら栽培臭さが無く途中から雨に悩まされながらも色々楽しめた。
礼文でアツモリソウを見てからの長年の夢がかないました
一人が23日の朝日新聞の夕刊3面トップ記事を持ってきた。「追いやられ それでも咲くか サクラソウ」のタイトルの記事だった。よく調べて核心を突いた記事と感心した。こんな視点から田島ケ原のサクラソウの現状を書いてくれたのは初めてだ。さすが朝日と思った。
でも肝心の結論がいけない。記事の常道なのだろうが担当者、担当課のコメントで終わらせている。温暖化も乾燥も外来種もどこの植物園特に自生地の共通の悩みだ。
田島ケ原のサクラソウが8年連続で減り続け最盛期の235万株から昨年は28%の66万株に落ち込んでいるのは役所の縦割り行政の賜物?だ。弊害と言うにはあまりに陳腐な理由からだ。
イカリソウも多くの場所で面白い花をつけていました
サクラソウ自生地はさいたま市教育委員会の管轄だ。周囲の堤防は国土交通省荒川河川事務所の管轄で国の政策は治水、利水、環境の順だ。
まして都市圏の住宅密集地に近い田島ケ原は前2者が優先し環境はお題目に過ぎなくなっている。これでは乾燥化防止はおろか訪花昆虫の住みやすい堤防など夢のまた夢だ。
そして周囲の桜草公園はさいたま市都市局都市公園課の管轄だ。同じさいたま市とはいえ教育委員会は行政からの干渉を嫌い独立志向だ。20年前に策定された基本理念は健全な湿地環境を保つためのバッファゾーンとして桜草公園全域を指定している。教育委員会が学識経験者などに依頼してまとめたこの保存管理計画は20年経った現在もまったく画餅のままだ。
4年かけて2014年に作成された2回目の保存管理計画も計画倒れのままだ。サクラソウ自生地の4.1Haの対策ではどうにもならならない事はこれらの計画が十分立証済みだ。
とにかく今は3者が連携して事に当たっていく方策を見いだせねば田島ケ原は野田のサギ山の二の舞になるのは必定だ。
教育委員会と行政との連携が難しいのは文化庁も分かって改正法律を4月1日に施行している。田島ケ原の場合はどうゆう方法であれサクラソウ自生地と桜草公園の指示系統を一本化せねばサクラソウが咲きたくても咲けなくなるのは必定だ。