現在ではとんと聞かないイージーリスニング。軽音楽とでも訳せばいいのか。
クラシックほど堅苦しくなく、ジャズみたいに難解でなく、ロックのようにうるさくもない、イージーリスニングは一時期ミュージックシーンを席巻した。
高校、大学時代は街を歩けば、いろんな所から流れていた耳慣れた音楽。
喫茶店のBGMはほとんどコレで決まり。
その昔はスタンダードナンバーやポップスをオーケストラ用にアレンジしていたが、そのうちに映画音楽に取り入れられたり、それ自体をオリジナル曲として発表したりと、そのステータスを固めていった。
ポール・モーリア、ヘンリー・マンシーニ、パーシー・フェイス、フランシス・レイ・・・名だたるメロディ・メーカーが洋楽ヒットチャートにも登場していたあの頃。「夏の日の恋」「恋は水色」「ある愛の詩」「さらば夏の日」「オリーブの首飾り」・・・意識的に聴いたわけでもないのに、なぜか記憶の引き出しにちゃんと入っている曲の数々。今で言うところの「癒し系の音楽」か。
歌なしのインストだけで勝負できる曲が、今のミュージックシーンにあるだろうか。