北の大地で、高島屋と伊勢丹の因縁の対決が勃発している。
経営破綻した北海道の老舗百貨店、丸井今井のスポンサーの座をめぐり、提携関係にある伊勢丹を差し置いて高島屋が名乗りを上げ、おきて破りの横やりを入れたのだ。
そして伊勢丹も近く名乗りを上げるとみられる。
両社はかつて「新宿戦争」を繰り広げ、業界再編でも角を突き合わせてきた。
しかもトップ同士が慶応大学の同期生という関係にあり、丸井今井の争奪戦はヒートアップが必至だ。
「丸井今井は歴史のある百貨店で、顧客も多く、いろいろな支援ができる」と高島屋幹部はスポンサー獲得に強い意欲を示しているという。
札幌本店など道内に4店舗を展開する丸井今井は業績不振が続き、昨秋以降の金融危機に伴う消費低迷がとどめを刺し、1月29日に札幌地裁に民事再生法の適用を申請した。
「スポンサーは伊勢丹で決まり」と多くの関係者は思った。
伊勢丹は平成17年から丸井今井の営業を支援し、13%を出資して取締役も派遣しているからだ。
だが再生法申請の際、提携継続は表明したものの、スポンサーについては保留した。伊勢丹が躊躇する間隙を縫って、名乗りを上げたのが高島屋だ。
2月中旬に丸井今井に再建支援の意向を書面で連絡。店名存続など踏み込んだ提案も行ったとされる。
高島屋にとって、札幌は空白地帯。
老舗の看板はノドから手が出るほど欲しい。
「追加出資は株主の理解が得られない。一方で、このまま撤退すれば、伊勢丹流は地方で通用しないと認めることになる」と伊勢丹のジレンマをこう解説する関係者もいる。
丸井今井に対しては、得意のファッションの投入や食品売り場の改装などで支援してきたが、売り上げは回復せず、破綻を回避できなかった。
地元でも「一度失敗した伊勢丹より高島屋の方がいい」との声が出ているという。
もっとも、高島屋の参戦でかえって引くに引けなくなり、最終的には手を挙げるとみられている。これまでの経緯からも、伊勢丹がスポンサーの座に付くとの見方が有力。
不利を承知で高島屋が名乗りを上げた理由について、業界では「伊勢丹に対する強烈なライバル意識」と指摘する声が多い。
続きは明日。
経営破綻した北海道の老舗百貨店、丸井今井のスポンサーの座をめぐり、提携関係にある伊勢丹を差し置いて高島屋が名乗りを上げ、おきて破りの横やりを入れたのだ。
そして伊勢丹も近く名乗りを上げるとみられる。
両社はかつて「新宿戦争」を繰り広げ、業界再編でも角を突き合わせてきた。
しかもトップ同士が慶応大学の同期生という関係にあり、丸井今井の争奪戦はヒートアップが必至だ。
「丸井今井は歴史のある百貨店で、顧客も多く、いろいろな支援ができる」と高島屋幹部はスポンサー獲得に強い意欲を示しているという。
札幌本店など道内に4店舗を展開する丸井今井は業績不振が続き、昨秋以降の金融危機に伴う消費低迷がとどめを刺し、1月29日に札幌地裁に民事再生法の適用を申請した。
「スポンサーは伊勢丹で決まり」と多くの関係者は思った。
伊勢丹は平成17年から丸井今井の営業を支援し、13%を出資して取締役も派遣しているからだ。
だが再生法申請の際、提携継続は表明したものの、スポンサーについては保留した。伊勢丹が躊躇する間隙を縫って、名乗りを上げたのが高島屋だ。
2月中旬に丸井今井に再建支援の意向を書面で連絡。店名存続など踏み込んだ提案も行ったとされる。
高島屋にとって、札幌は空白地帯。
老舗の看板はノドから手が出るほど欲しい。
「追加出資は株主の理解が得られない。一方で、このまま撤退すれば、伊勢丹流は地方で通用しないと認めることになる」と伊勢丹のジレンマをこう解説する関係者もいる。
丸井今井に対しては、得意のファッションの投入や食品売り場の改装などで支援してきたが、売り上げは回復せず、破綻を回避できなかった。
地元でも「一度失敗した伊勢丹より高島屋の方がいい」との声が出ているという。
もっとも、高島屋の参戦でかえって引くに引けなくなり、最終的には手を挙げるとみられている。これまでの経緯からも、伊勢丹がスポンサーの座に付くとの見方が有力。
不利を承知で高島屋が名乗りを上げた理由について、業界では「伊勢丹に対する強烈なライバル意識」と指摘する声が多い。
続きは明日。