虹色仮面 通信

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丸井今井の行方②

2009-03-13 06:49:05 | ビジネス
昨日の続き。

発端は、平成8年に高島屋が新宿店をオープンし、地域一番店の本店を構える伊勢丹との間で繰り広げられた「新宿戦争」だ。
結果は、高島屋の惨敗。
新宿店は、伊勢丹の本店どころか、小田急、京王百貨店の後塵を拝している。

業界では「伊勢丹の影響力で、有力なテナントや取引先を取り込めなかったことが敗因の一つ」との声があり、高島屋の恨みは深い。

その後の業界大再編でも、ライバル意識が垣間見えた。
伊勢丹は昨年4月に三越と経営統合し、三越伊勢丹ホールディングスを発足させ、単純合算の売上高で1兆5597億円と業界トップに立った。

これに対し、単独路線を貫いてきた高島屋も昨年10月に一転して阪急、阪神百貨店を傘下に持つH2Oリテイリングと3年以内に統合することで合意。
会見で高島屋の鈴木弘治社長は「(単体3社の単純合算なら)売り上げ規模は1兆5629億円になる」と三越伊勢丹HDを上回る数字を挙げ、対抗心をあらわにした。
もともとH2Oは伊勢丹と提携関係にあったが、三越との統合に伴い関係を解消していた。そこに高島屋が接近し「反伊勢丹連合」を結成した格好だ。

ライバル関係の極めつけが、高島屋の鈴木社長と伊勢丹の武藤社長の関係だ。
2人は慶応大学経済学部の同期生。大学時代に面識はなかったそうだが「それぞれが社長になり、互いに強く意識している」といわれる。

強烈なリーダーシップで会社を引っ張ってきたという点で似通っていることも対抗意識の一因になっているのかもしれない。

大手百貨店は大再編により、売上高1兆円規模の4グループに集約された。ただ、構造的な百貨店離れと消費不況で市場規模は縮小の一途。今後、電鉄系や地方百貨店を巻き込んだ再々編は不可避だ。

「高島屋が伊勢丹の主導する共同仕入れ機構のメンバーである松屋に関心を示している」
業界ではこんな観測も飛び交う。
丸井今井だけでなく、再々編をめぐっても「因縁の対決」が繰り広げられる可能性がある。