虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

カッコ悪い?

2013-08-03 08:39:39 | 乗り物
今から23年前のお話。

写真のF1カーは「マクラーレンMP4/5Bホンダ」のクロコダイル・ノーズバージョンです。
実戦投入されなかった(幻のテスト)マシンです。

ドライバーは、今は亡きアイルトン・セナ。

この年(1990年)に登場したティレル・チーム(中嶋悟選手が所属した英国チーム)のNEWマシン「019」が一気に進めたハイノーズに、強豪チームのマクラーレンが追随したもの。

この頃から、F1カーにエアロダイナミクス(空気力学的思想)が積極的に取り入れられ、いろんなアイディアが現れるが、このハイノーズもその一環。

当時マクラーレン・チームの監督であったロン・デニスは、ティレル019を見て「我々がこれ(空力思想)をモノに(具現化)するには、少なくても2年はかかる」と明言。

といいながら、その4ヵ月後に現れたのが、写真のマシン。
当時のマクラーレンは、ホンダ・エンジンに依存したマシン開発で、時代の先端から遅れつつあったのです。
その現実を脱却すべく、チャレンジしたのですが…。
結果はともかく、当時のマクラーレンの財力、そしてチームの勝利への飽くなき追求が感じ取れます。

しかし、見た目が不細工というか、何となく消化不良というか…。
アイディアがスマートにまとまらない感じが見て取れます。

「速いマシンは美しい。またその逆も真なり。」
昔からF1マシンに言われる定説ですが、このマシンは美しくも速くもなかったようです。
それでグランプリに現れることなく、お蔵入りに…。

とくに自チームのF1カーの美的感覚(シルエット、カラーリング)には煩かったデニスが、この不細工なF1カーを世に出すことは許さなかっただろう。

さてこの「マクラーレンMP4/5Bホンダ」のクロコダイル・ノーズバージョン、実際にレースに投入されていたら、どうなっていたんでしょうね?