虹色仮面 通信

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先見性

2018-05-07 07:28:46 | 社会

江戸が東京になり、今年で150年。

現在の東京は、世界最大の都市であった江戸をベースに形作られている。

この都市構造の基礎を築いたのは、紛れもなく江戸幕府の初代将軍・徳川家康である。

三河の有力大名であった家康は、時の権力者である豊臣秀吉の命を受け、江戸へ来た時には人口数万人の寒村で、一面に葦が生い茂る湿地帯であったという。

その証拠に、現在の丸の内や日比谷界隈で地層を調べると、地下深い場所からは湿気の多い(泥に近い)土がたくさん出てくるらしい。かつては海で、埋め立てられた場所の名残である。

そんな街に幕府を置き、天下普請なる都市建設に着手。18世紀には世界最大の人口(100万人強)を有する大都市になった。

現在は、その当時の10倍以上の人口を有し、名実ともに世界屈指の大都市として君臨する東京だが、あちこちに江戸の面影が残っている。

江戸城は皇居として使われ、ぐるりと螺旋状に取り囲む濠はほぼそのまま残っている。サクラの名所である千鳥ケ淵も内濠である。また都心部の首都高は、江戸時代に水運に用いるための運河や川の上に建設されているが、これらの川もほとんどが江戸時代に作られたものである。中には台地を開割して、水路を作った場所もある。それと城の見附跡も各所に残っており、城の石垣はあちこちで見ることができる。他にもたくさん江戸の痕跡があります。

日常、あまり意識することはないが、これだけの歴史的な遺産が垣間見ることができるのも東京の素晴らしいところである。また世界最大級の城郭(構造)を、ほぼそのままの形で確認できるのも奇跡である。

というのも、江戸時代は火事は日常茶飯事であり、時々大火もあった。明治期には関東大震災、昭和には戦火に見舞われ、その度不死鳥のように蘇り、現在に至る。

中には焼失したものや、その後の復興で変えたものもあるが、都市としての骨組みはそのまま残っている場所が多いのも事実。

2020年のオリパラに向けて都市の改造(インフラ整備など)が進む東京。しかし、都市の基本骨格は変わることなく、時代に調和しながら進化していくに違いない。

それだけ家康の都市計画(ビジョン)が確かだったのと、時代を先読みした先見性は改めてすごいとしか言いようがない。だって400年も前なんですよ?

家康は武士としてももちろん、都市建設の部分にも秀でていたんですな。なかなかこれだけの人物は出てこないですよ!