先週、新宮市の姉がやって来ました。串本町内に自生しているルリハコベを撮影に
きたそうな。で、実家の近所を回ってみることにしたわけで、おばあちゃんが前に
言っていたギンランを探しに出かけました。おばあちゃんの話では、昔その場所で
ギンランを見つけたのだが、そのことを人に話した後全く見かけなくなった・・と
いうことだ。ここでもおばあちゃんの一言が山野草の滅亡に手を貸した、と私は思
っています。その話を姉に話しながら来た時に、小さな花が地面から15cmほどの
場所に・・・。「これってギンラン?」と聞く私に、偉い山野草の先生に師事して
いる姉が「ツユクサみたいやけど、また違うな。この辺りにあったわけ?」と聞く
けど、私もこの辺りとしか聞いてないので「たぶん」写真を撮るほど、ギンランか
なとも思えます。帰って本で見てみると≪ササバギンラン≫というのに似ている。
う~ん、もう一度インターネットで調べたらギンランのほうに近いような感じ。
だから、希少生物のギンランにしました。
ギンラン
調べたようにはたくさん花は付いてないし、私の写し方もパッとしないので判りに
くいけど。
ところでこのギンラン、数が確かに減っているそうです。開発と乱獲のため、ど
っちも人間のせいです。実は私達が見つけたのは二本。そばに落ち葉や雑草の茂み
があったのですが、大きくイノシシが牙でこそげたような跡が二箇所。最初「イノ
シシがミミズでも探したのかな」と思っていたけど、よくよく見ればそれは不自然
な形・・・。ここは滅多に人は通らない山の下にある道、最近はハチミツを採取す
るためのゴウラを山に置いている人が通るくらいで・・・あ、その中におばあちゃ
んの知人もいます・・あの、おじさんも最近山野草に興味を持ち出したって言って
いた。そうは考えたくないけど・・採って行った可能性大だ。何故、少ない植物を
採るのか?自分の庭で咲かせて自慢するのが楽しいのか?心の隅で「採らないほう
がいい」けど誰か他の人に採られるのは、自分が遠慮しているのに悔しいじゃない
かってところだろうな。私はこのギンランを撮影したこともあったこともおばあち
ゃんに話してはいない。姉は喋ったかもしれないが、姉には「おばあちゃんは、
珍しいモノを見つけたら、すぐ山歩き友達に話してしまい、その人達はその場所に
行って採ってくるよ」と口を酸っぱくして言ったんだが・・。おばあちゃんがギン
ランのことを話さないから、姉も教えなかったのかもしれません。もちろん、私達
はみつけた二本を見られないように枯れ草やら落ち葉で隠してきたけどね。
ひっそりと咲くギンランの白さはとてもきれいでしたよ。