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CS放送で昔のドラマをやっていた。昔だ・・・私が中学生だったか高校生だったか、そん
な頃のドラマなので、なんか登場人物も服装も車も何もかも昔の姿だ(当然だね)。
じつは、このドラマの24話めが串本で撮影されたのであるのよ。当時、撮影隊が来た
という話はきかなかったけど、串本で撮ったのがテレビで放送する・・ということだけはど
こからか流れてきて、もちろん当時の私は観た。主人公は今ではマンガのストーリーでも
出てこない大財閥の娘 早乙女愛と、額に傷をもつ不良少年太賀誠の恋愛のようなでも手を
握るというそんなシーンもない 今から思えばなんちゅうジャンルに属するのか分類に困る
物語だね。子供の時にスキー場で愛が誠の額にスキー板で傷を負わしてしまうのだが、愛は
それを自分の心の傷として高校生まで持っていたのだけど、そこに不良になった誠が転校し
てくるのだったか、忘れたが二人は出会うのよ。誠は傷を負わせた少女の同情はいらね~と
突き放すが、愛はひたすら誠が不良から立ち直らせようと必死になり、愛に思いを寄せる
石清水(いわしみず)を蹴散らしながら、誠の行く先行く先ついて回るのだ。そして、東京
でいっちばんの不良しか集まらないナントカ学園に、才媛の愛が転校しその学園の陰の大番
長の高原由紀と誠がバトルを始めるのだよ~ん。由紀のナイフ投げはスゴイ命中率で、この
由紀も捨て子で、施設に預けられたのだけど体罰・食べさせないなどが当り前の施設で、そ
こから脱走し、不良仲間とチンピラをやっていたところ高原組の組長に見染められ、養女と
して高校生となったんだって。この組長役に 原作者でもある梶原一騎が扮してんの。ま、
そこそこ迫力あったもんね。梶原・・・。巨人の星もそうね。※組長役は 梶原先生の
弟さんが扮したそうです。間諜X72さんが教えてくれました。
舞台は昭和40年後半か・・・、画面はセピア色だったわ。このドラマは時々観るのだけ
ど、『なんで愛はいつもセーラー服なのか?誠はいつも学生服なのか!』きょうび、こんな
高校生は見たことないから、その当時は高校生のふだんの私服姿なんてそんじょ、そこらで
歩いていなかったんでは・・と思ってしまう。それにしても愛に扮する 池上季実子は暗い
うえ、素人に近い。新人女優だったのね、いまやちょっと太ったかな?と思うけど立派な女
優さん、誠は夏夕介。少し高校生役には歳を重ねてはいたけど、長髪姿も懐かしい。
こっちが先か、あとかは知らないけどもう一つの『愛と誠』、こっちは映画になったほう
だが、愛は役名通り早乙女愛、誠が西城秀樹で、『愛と誠』といえば私はこっちを思い描く
友達が西城秀樹のファンで、ストーリーを聞かされた。もともとは少年サンデーかジャンプ
かなんかの少年漫画誌のマンガなんだけど、少年漫画誌にとってもこの作品は 節目になっ
たんじゃないかと思う・・・。
24話めは 誠に精神的に打ちのめされた高原由紀が故郷に戻ったということを耳にした
誠は、愛の懇願で自分が由紀の『バンドしぶき』や『塩の花』(?だっけ)という拷問から
助けられたなんざ、みっともないってだけで由紀を追ってフェリーに乗る。由紀は拷問しな
がら愛の誠に対する『愛』が、自分が今まで与えられなかった『愛情』だとショックを受け
高知に帰ってしまったのだね。由紀を誠が、誠を愛が、愛を石清水がそれぞれ追い、今では
懐かしい「さんふらわあ号」に。
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フェリーは那智勝浦町・宇久井港、そして高知へと行くのだけど、誠は宇久井で下船し、気
がついた愛も石清水に黙って下船してしまう。港で誠の乗るトラックが串本に行くと聞いた
愛は、なぜかトボトボと道路をスーツケースとコートを手にセーラー服姿で道路を歩いてい
る。そこへ後ろから「君、どこへ行くんだね」と声をかけたのが串本のホテル浦島の支配人
らしい人と、タヒチアンダンサーズの車で愛はラッキー!にも串本まで乗せてもらう。
串本についたら誠が運転するトラック(誠は高校生のはずなのだが・・前の場面で運転席
にいたのだ。設定は運転助手らしいが)が止まっていた。「彼は潮岬か大島に行ったので
は」と、親切な支配人の言葉で愛はバスで潮岬に。望楼の芝では、いまはもうイベントでし
か芝生で踊らない「串本節」が生演奏で踊り、その輪を取り囲むように人の輪ができていた
り、観光センターの土産物売り場や、タワーから誠を探す愛・・・。どれもこれも懐かしい
風景。どこかに知った人はいないかと思ったけど、もう30年以上前の映像やもんね。
ホテル浦島はとても新しく、大島行きのフェリーもちらり。私が感動したのは30年以上
前の串本駅だ!!駅前のタクシー乗り場、駅舎にあがる5,6段の階段。入口の大きな扉。
あぁ、こんなにひなびた駅だったのね・・・と。しかし、そこには誠はいなかった。落胆し
ながら浦島に戻った愛が、夕日のなかに誠の背中をみつけ「ま、誠さん」と駆け寄るが
誠はぐちゃぐちゃと高原由紀に挑むことを述べるのだ。翌朝、誠は宇久井に向けて早く出て
しまい、愛は茫然。そこに支配人が「いまならフェリーに間に合います。送りましょう」と
走らせたシーンが、おいおい すぐ勝浦向きに行かんのかい!と突っこんでしまった。
車の窓から見えるのは 潮岬の周遊道路、望楼の芝から出雲方面に下っていく道路やん!
なんつー適当な撮影か・・・と、当時観た時も私は友達に「あれは潮岬やん」と言ったこ
とを覚えている。しかし、ホテル浦島でタヒチアンショーをやっていたとは!
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支配人に送られる前、愛は橋杭岩が遠くに見える防波堤でたたずんでいた。たぶんあそこは
今の『エイデン』のところだと思う。砂浜が見えたからね。そこにお巡りさんが現れ
「君は何をしているのかね。どこから来たのかね」と愛に職務質問をかけた。そして愛が
「東京から」と答えると、セーラー服にスーツケースといういでたちなのを見、「君はまさ
か家出して来たのではないかね?」と聞く。「私は人を探しているのです。トラックに乗っ
た・・・」と言うと「もしかして、学生服を着た人かね。さっき駐在所に寄って道をたずね
たよ」・・・・おいおい、30数年前は串本も駐在所だったのか!!まぁ、ドラマ設定上の
架空の町なんだろうけど・・・。私はこうして 懐かしのドラマをひとりツッコミを入れて
観終わったのだ。25話は高原由紀の故郷、高知に誠を追って愛は行くのだ。誠はことある
ごとに「愛のお嬢さんよぅ~」と悪ぶって言うのだ。憎からず思っているのだけど、そこが
不良、今どきの不良とは違う、なんか骨のある不良みたいだ。私はオープニングの歌が耳に
ついて離れない。
♪夕日をみている 彼の姿が~ 怒っているとはかぎらないのよ~
私をみつめ~ 肩いからせ~て~ 石ころ蹴ったりしているけれど~
私はあなたに 命をかけてる 私はあなたに 命をかけてる~・・・
『私の誠』という題名だったような、作詞はもちろん梶原一騎、思いもつかないような作詞
に ぶっ飛んだのだが、強面の梶原さんも乙女チックなのね。最後は演歌みたいだけど。
石清水の決めゼリフが『僕は 早乙女愛のためなら死ねる』と言うのだが、当時の高校生は
すっげー恋愛観なんだと、あまりにもマジ過ぎていや純情過ぎるのか?今どきの高校生には
解らん世界かもしれません。制作が大映なんで、まぁ想像できるドラマでした。