二日続いて雨です。一頃から比べれば随分暖かくなって、いっそ濡れるのも気持ちよいくらいですが、夜の雨だけは季節を問わず頂けません。何せまるで前が見えませんから。ただでさえライトが暗くて見づらいのに、ヘルメットのバイザーに付着した水玉に対向車のライトでもうつろうものなら完全に目隠しされたも同然。後続がどうあれとにかく減速して対向車をやり過ごすしかありません。危ないとは思うのですが、自ら見落とした自転車や歩行者に突っ込む位ならよほどましというものです。昨日など、通り道でお通夜があったらしく、喪服を着た人が何人も歩いておりました。固まって歩いてくれている分にはとりあえず気づくことができるのですが、その集団から離れて一人ひょこひょこ歩いているおじいさんが全く目に入らず、左脇30センチ位を通過した瞬間にやっと気づいて心臓が跳ね上がりました。全く、こんな経験は2度としたくないものです。どうか歩行者の方は、雨の夜にバイクが前から走ってきたら、自分のことはまず見えていないと思っていただきたいです。
さて、今まであまり読まなかったジャンルの本を、この間から読んでいたりします。池波正太郎の「剣客商売」です。私はテレビの時代劇は子供の頃から好きで、ひと頃は毎日のように時代劇ばかり見て過ごしておりましたが、なぜか江戸を舞台にした時代小説は読みませんでした。戦国時代物は好きですし、明治以後の歴史をあつかったものも、主に戦争を中心に楽しんだものですが、その間がぽっかりと抜けているのです。そのわけは、なんだったか忘れましたけど、柴田錬三郎のやつとか幾度か見かけたことがあるのですが、それらがあまり面白いと感じなかったからです。テレビではあれほど派手なチャンバラシーンの躍動感(特に萬屋錦之介豪快な殺陣は大好きでした)がそれら小説の紙面からはほとんど感じられず、拍子抜けというか、つまらない、と思っていたのです。それが何故今頃になって、というわけですが、ふらり立ち寄った古書店で、たまたま「マリみて」の主役の一人島津由乃嬢の愛読書が池波正太郎の「剣客商売」だったのを思い出し、どんなものか一つ読んでみようか、と気まぐれを起こしたのでした。
結果は、それなりに楽しく読めました。剣を交えるときの緊迫感もなかなかのものですし、文章全体に、次を促すような独特のリズムがあって、飽きがきません。飄々と人生を謳歌する秋山小兵衛翁とストイックな求道者である息子の大治郎、ツンデレ属性の走りじゃないかと思わせる女武芸者佐々木三冬など、それぞれのキャラもはっきりしているのも読みやすくていいと思います。2回読み返しましたけど、ちょっと小暇をもてあました時には格好の本だと思いました・・・って、これってほとんどライトノベルののりではないですか。「マリみて」はじめ、今やライトノベルは書店の一角を埋め尽くすほどの勢いで増殖していますけど、思えばこの手の大衆小説というのは、大体ライトノベルと軌を一にするところが多いのかもしれません。粗製濫造のせいかあんまり読み応えのある本がなくて、当たりを引くのに苦労する、という点もほぼ同じ(笑)。ライトノベルの線引きをどこに持ってくるか、少し友人と話をしたこともあるのですが、今だったら、私は池波正太郎もラノベ作家の一人にあげてしまうかもしれません。なんにせよ、どうやら未開拓の鉱脈を発見したみたいで、しばらくは楽しんでいられそうです。
さて、今まであまり読まなかったジャンルの本を、この間から読んでいたりします。池波正太郎の「剣客商売」です。私はテレビの時代劇は子供の頃から好きで、ひと頃は毎日のように時代劇ばかり見て過ごしておりましたが、なぜか江戸を舞台にした時代小説は読みませんでした。戦国時代物は好きですし、明治以後の歴史をあつかったものも、主に戦争を中心に楽しんだものですが、その間がぽっかりと抜けているのです。そのわけは、なんだったか忘れましたけど、柴田錬三郎のやつとか幾度か見かけたことがあるのですが、それらがあまり面白いと感じなかったからです。テレビではあれほど派手なチャンバラシーンの躍動感(特に萬屋錦之介豪快な殺陣は大好きでした)がそれら小説の紙面からはほとんど感じられず、拍子抜けというか、つまらない、と思っていたのです。それが何故今頃になって、というわけですが、ふらり立ち寄った古書店で、たまたま「マリみて」の主役の一人島津由乃嬢の愛読書が池波正太郎の「剣客商売」だったのを思い出し、どんなものか一つ読んでみようか、と気まぐれを起こしたのでした。
結果は、それなりに楽しく読めました。剣を交えるときの緊迫感もなかなかのものですし、文章全体に、次を促すような独特のリズムがあって、飽きがきません。飄々と人生を謳歌する秋山小兵衛翁とストイックな求道者である息子の大治郎、ツンデレ属性の走りじゃないかと思わせる女武芸者佐々木三冬など、それぞれのキャラもはっきりしているのも読みやすくていいと思います。2回読み返しましたけど、ちょっと小暇をもてあました時には格好の本だと思いました・・・って、これってほとんどライトノベルののりではないですか。「マリみて」はじめ、今やライトノベルは書店の一角を埋め尽くすほどの勢いで増殖していますけど、思えばこの手の大衆小説というのは、大体ライトノベルと軌を一にするところが多いのかもしれません。粗製濫造のせいかあんまり読み応えのある本がなくて、当たりを引くのに苦労する、という点もほぼ同じ(笑)。ライトノベルの線引きをどこに持ってくるか、少し友人と話をしたこともあるのですが、今だったら、私は池波正太郎もラノベ作家の一人にあげてしまうかもしれません。なんにせよ、どうやら未開拓の鉱脈を発見したみたいで、しばらくは楽しんでいられそうです。
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