かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

観る前にまずは読んでみました。「ナルニア国物語」

2006-03-03 22:01:16 | Weblog
 昨日もう寒さは戻っても大したことないでしょう、なんてことを書いていましたら、あっさり今日前言撤回しなくちゃならなくなりました。なんなんでしょう、これまたえらく急に冷え込んできて。おまけに夕方には雪まで降って来るではありませんか。まさかお雛祭りに吹雪の中を疾走する羽目になるとは思いませんでした。ようやくうちに帰り着いたところで、そろそろ片づける準備も考えないと、と思っていたストーブに早速火を入れ、何とか人心地ついております。全く、今年の天気は油断も隙もありませんね。

 明日から春の新公開映画が一斉にかかりますが、中でも目玉はやはり「ナルニア国物語」でしょうか? 新聞広告でも一番大きな面積とってますし、公開する映画館の数も明らかにダントツに多いです。前評判はえてして話半分くらいにみておいた方がいいとも思うのですが、これだけ扱いが大きいと、自ずと期待もふくらもうというものです。
 というわけで、映画を観る前にまた原作を読んでみることにしました。それなりに古い童話なのですが、どういうわけか私は幼少のみぎり、この話を読んだことがなかったので、まさに初めてこのC.S.ルイスの作品をひもといたわけです。ライバルとでも言うべきトールキンの「指輪物語」はるけきいにしへに読んでいたのに、今となっては当時何故この話を読まなかったのか、誠に不思議で、実にもったいないと思いました。きっとその時分に読んでいれば、はるかにどっぷりとはまりこんだに違いないと思うからです。さすがに今読むと、全体に話があっさりしていて、前評判を意識していると少し拍子抜けを覚えます。それにラストの大逆転なんて、これまたあっぱれなご都合主義に、思わず苦笑いしてしまいました。でも、当時ならまさにはらはらどきどきもので、この展開に手に汗握ってページをくったに違いないのです。
 と、ここまでどうも否定的な書き方をしてしまいましたが、実はつまらないわけではありません。そこには今でも、次のページを繰らずにはいられない「力」があふれていることに気づきます。それは起伏に富んだストーリー展開なのかもしれませんし、表情豊かなキャラクター達のせいかもしれません。あるいは、何かほっと一息つかせる慈しみの気を覚えさせる、どんな場面でも一定の暖かみとやさしさを保ち続ける作者の語り口にあるのかもしれません。一口に言ってしまうと「魅力」ということになるのでしょうが、なかなかに味わい深い、不思議な気持ちにさせられます。
 さて、映画の方ははたしてどうでしょうか。どうもCMが派手な戦闘シーンの迫力を喧伝するのにいそしみ過ぎているようなキライがあるのですが、原作に蕩々と流れる「愛」を、映画がしっかり写し取っていればいいんですけどね。

コメント
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