かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

アメリカには日本の状況が正しく伝わっているのだろうか?

2006-03-18 22:23:56 | Weblog
 アメリカの国務長官が麻生外相にたいし、アメリカ産牛肉の輸入全面禁止を続けている日本の姿勢が「対応過剰ではないか」と述べて、早期輸入再開を求めたのだとか。もしこれがマスコミによるフィルターがかかっていない「生の声」なのだとしたら、日本の国民性が理解できていないとしか思えない発言ですね。ただ、では現実として日本人がアメリカ産牛肉を買うのかどうか、疑問もなきにしもあらずです。現実にはあり得ない完璧なゼロ・リスクを求めてやまない病的な潔癖症を患っている様に見える一方で、アメリカが国を挙げてキャンペーンに力を入れ、安い牛肉が店頭に並びだしたら、案外抵抗なく受け入れられたりするんじゃないだろうか、と思ったりもいたします。これがどう転ぶかは実際に輸入再開してみないと判らないわけで、いっそ牛肉に関しては、アメリカには消費者の説得は自分達で努力してやれ、消費者には買うか買わないかは自分達の意志で決めなさい、とそれぞれに言い渡して、政府としてこれに関わるのはやめにするというような形ではまずいでしょうか? まあそんなことをするには法律をいくつか改正しないといけないでしょうし、政府の責任放棄は許されるわけないと思うので現実的ではないのですが、アメリカに日本の消費者の実態を理解させ、我が国内の食品メーカーさんと同程度以上の努力をアメリカが自主的にやるようにし向けるのには悪くないような気もします。第一、今は妙に日本政府が間に挟まっている様に見えて、直接の関係者であるはずのアメリカの食肉産業の人達と我が国の消費者も、互いに相手の姿が見えにくくなっているように感じられます。アメリカも本気で牛肉を売りたいのなら、我が国政府に輸入再開の圧力をかけるだけじゃなくて、大勢の消費者を説得しなければいけないということは、理解していてもおかしくないと思うのです。ところが今のところあくまで政府間の話し合いに終始して、日本の消費者に自分達の提供する牛の魅力や安全性をアピールすることが全くないまま、アメリカの焦りといらだちばかり報道されて、消費者の反感を買っているように見えます。これでは、多分今仮に輸入再開しても、消費はほとんど期待できないのではないでしょうか? そのことをアメリカが判っているのかいないのか、まるで伝わらないのがかえって不気味です。

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