かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ガメラ!(ネタばれ注意)

2006-05-18 22:13:49 | アニメ特撮
 今日は無理無理時間を作って映画館へ。ずっと観たいと思っていた映画があったのですが、この調子だといつ映画館に行けるか判りませんし、なにより近所の映画館ではもうすぐ上映が終わってしまいそうだったので、頑張って観に行くことにいたしました。その映画とは「小さな勇者達~ガメラ」。ガメラ誕生40周年を記念して制作されたというふれこみもさることながら、予告映像の怪獣シーンはなかなかの迫力で、ガメラと共に人生歩んできたと言っても過言ではない私としては、これは行くしかない、と思っていたのでした。
 大体私が物心ついたときはちょうど昭和の怪獣ブームの時で、東宝や大映の映画館に良く足を運びました。高校野球が雨で中止になったときの差し替え用としてガメラなどが用意されていたりもして、当時からさしてスポーツに興味の無かった私は、ひたすら雨が降ることを祈っていたりもしたものです。それにしても、平成ガメラシリーズが終わって既に7年。当時その素晴らしい出来に感動しつつも、興業収益では「学校の怪談」に劣るという話を聞いて、もう作られることはないだろうと諦めていただけに、その復活は取りあえず手放しで喜べるものでした。
 さて、映画の方はと言うと、怪獣映画としては迫力十分! のっけから始まるギャオス対ガメラの死闘、そして新怪獣ジーダスと生まれ変わったガメラ(まるでミニラを彷彿させる可愛らしい顔つき)の闘い。ミニチュアセットもかつての円谷特撮を思い起こさせる美しさで、これぞ怪獣映画、という醍醐味を久々に満喫させてくれました。多分CGなども多用して、本物らしさが醸し出せるようにしているんでしょうね。何はともあれ、技術の進歩というのは素晴らしいものです。
 ただ、ストーリーは今ひとつ納得いきかねる展開でした。主人公の少年とガメラの交流は良く判りますし、前半の山場で怪獣に襲われた少年を助けてガメラが飛び出してきた所などは「ウンウン」と頷いてしまいましたが、後半の山場である子供達のリレーは、唐突に始まった印象が拭えず、何故あんな風に見ず知らずの少年少女達が危険も省みずガメラを助けるために働いたのか、いまだに理解できません。ひょっとして、尺の関係でその説明に当たる部分をはしょったんじゃないか、と思ったりもしたのですが、現時点では全くの謎です。ヒロイン役の少女が心臓手術の恐怖に怯えるストーリーも、掘り下げがほとんどなく、正直、なんのために語られた話なのか、判りませんでした。主人公の少年は、母を失った悲しみで、自分の好きな者達が死んでしまうのを極度に恐れるようになってますけど、きっとそれとからめてもう一つ二つエピソードがあったんじゃないでしょうか? でないとあの少女は、名古屋にガメラのエネルギー源を運ぶためだけに心臓手術を受けたとしか見えないのです。
 映画その物としては少々辛口の採点を余儀なくされる出来でしたけど、怪獣映画としては満足できたと思います。伊勢志摩の風景もきれいですし、なじみ深い近鉄電車が走っていたりして、知っている風景や道具立てが出ると、それだけでぐっと親近感がましますしね。
 怪獣シーンで唯一不満は、自衛隊の活躍がなかったこと。平成ガメラシリーズでは自衛隊が格好良かっただけに今回も期待したのですが、予算の関係か歩兵がちょろちょろ出ただけであとは全く出ませんでした。
 これ、続編は作られるのでしょうか? 興行成績次第では考えてくれそうな気もしますが、どれくらいお客が入ったんでしょうね。少なくとも私が観たときは、私ともう一人同年輩の男性がいるばかりで、館内は閑散としてものでした(泣)。是非頑張って、手に汗握るスペクタクル映画としての怪獣を、また満喫させて欲しいものです。

コメント
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