水中カメラに取り残された人影は映らず。全員海に投げ出されたとしたら、今は一体どこまで流されていることか。

　奈良市の今朝の最低気温は１０．９℃、昼の最高気温は２８．４℃、五條市の今朝の最低気温は７．６℃、昼の最高気温は２６．９℃でした。今日は昨日同様よく晴れた一日でした。気温も昨日よりさらに上がり、昼間の日向はじっとしていても汗ばむほどの陽気でした。もっとも湿度が低くカラッと乾いた空気のために不快感は少なく、日焼けに注意していればそこそこに過ごしやすい一日だったと思います。天気はこの後しばらく大きく崩れることもないようで、ＧＷ最終となるこの土日もまずまずの天気に恵まれそうです。

　さて、知床半島沖海面下１２０mに沈んでいる観光船の船内を水中カメラが撮影しましたが、人影らしいものは観測できず、乗員乗客は全員海に出たものと推測される結果となりました。ひょっとしてひょっとしたら何人かは船に閉じ込められてしまったヒトがいるかも？　と考えないでもなかったのですが、普通に考えれば、船が一瞬で轟沈するか、不測の事態で閉じ込められたり怪我でもして動けなくなりでもしない限り、足元からどんどん水が入ってくる船の中にあえて残ろうという判断をするヒトなどまずいないでしょうし、小さな観光船のような複雑でもない構造の船なら、船内で迷って逃げ遅れるようなこともほぼ考えられないでしょう。北の海をよく知る人ならともかくほとんどは冷たい水の怖さを知らない人たちでしょうし、少しずつ沈む船のまだ浮いている部分にしがみついているうちにそれも難しくなり、救命胴衣を着てとりあえず船から離れるなり、目の前に見える岸に向かって泳ごうとしたりしていても不思議ではないと思います。ただ、そうなると救命胴衣で浮かんでいたとしたら潮流でどんどん流されていくばかりでしょうし、救命胴衣なしなら波に飲まれて沈んでしまうかもしれません。半島で見つかった人たちは無理やり泳いで力尽きたのか、たまたま打ち上げられたのかした、まだしもマシなケースだったのでしょう。
　こうなるとどうしても、これまでの船舶の安全基準の不備が悔やまれます。低水温の海に見合った装備、流されても発見可能な装備などが何故今まで義務付けられなかったのか。それらを決める立場の人たちの想像力の欠如を恨むよりありませんが、それらを過重装備と認識し、そんな装備を義務付けたら経営を圧迫して業が成り立たなくなる、なんて言語道断で、むしろそれくらいで経営できなくなるなら、危険を犯す前に廃業させないといけないと思います。
　今回の事件を機に、具体的な人命重視の制度に改まるよう議論が深まることを期待するよりありません。