またマスコミとはどうしてこうもヒトの不安を掻き立てるようなことしかできないのかと思ってしまいます。

　奈良市の今朝の最低気温は１３．３℃、昼の最高気温は２７．３℃、五條市の今朝の最低気温は８．８℃、昼の最高気温は２６．９℃でした。今日は朝からよく晴れて昼間はともすれば暑いくらいでしたが、１５時過ぎから雲が広がり、日差しが途切れました。そのためか上がった気温がなかなか下がらず、温かい夜を迎えています。明日は今日より穏やかな五月晴れとなるようで、気温もやや控えめで予報されています。ＧＷ最後の休日、人出の程はどんなものでしょうか？

　さて、京都大学のベンチャー企業「リージョナルフィッシュ」がゲノム編集技術を用いて食欲を制御し通常よりも大きく成長するように改変したフグを「２２世紀ふぐ」と銘打ち、養殖・販売していますが、同社の研究拠点がある京都府宮津市が、このフグをふるさと納税の返礼品に取り上げたところ、食の安全性や生態系への影響を懸念する市民の声が上げられ、議会でも疑問の声が出ているのだそうです。
　私などはなかなか面白い取り組みだと思いましたが、この報道をした京都新聞は、最初から否定的な論調で取り上げているような感じもして、果たして記事にあるような「懸念」の声は一体どれくらい上がっているのか、ひょっとして僅かな声を取り上げて針小棒大なディフォルメを施しているのではないか？　と疑いたくなります。ふるさと納税として昨年末に取り上げてから、４９件１４７万円の寄付が集まっているという内容からすると、それなりに受け入れられているようにも感じらますし。
　まあそれはともかく、こういうニュースを観るたび思うのは、「食の安全」とは一体何なんだろうな？　ということです。もちろん、遺伝子の操作によって急性の毒を作ってしまうようなものは困りますが、そのへんは危ない観光船を野放しにしていた国交省などとは比べ物にならぬくらい、消費者庁や厚労省が厳重に評価しています。それでも食物アレルギーが増えているように、これまで別に毒でも何でも無かったものが突然ヒトに牙を剥き、時に人命を奪うほどの激烈な反応を示すことがあります。また、これまで特に問題視されていなかったものが科学の進展に伴い規制の対象になることもあります。ただそれらは別に当該食品の遺伝子をいじったせいでもなければ農薬を散布したせいでもありません。
　そもそも、ヒトはどんなに気をつけていても不老不死にはなれず、寿命になれば必ず死んでしまいます。ゆえに急性毒とか発がん性とか、今もきっちり審査されている項目さえクリアしていれば特段問題にする必要は無いように私には思えるのです。
　マスコミの方々は、そんな検査内容については報道せずに、ただ不安だ、懸念だと一部の声を取り上げて強調されますし、どんな遺伝子の操作を行ったのかという具体的な技術の内容についてもまるで取り上げようとされません（多分理解できないから？）。報道は公平出あらねばならないというのなら、それらについてもきちんと取材して併記すべきで、ただ不安を煽り立てれば良し、というのは報道の仕事ではないように思います。