行き過ぎた行財政改革が公務職場を蝕んだ結果が山口県のご送金だったりするんではないでしょうか？

　奈良市の今朝の最低気温は１２．８℃、昼の最高気温は２７．８℃、五條市の今朝の最低気温は８．５℃、昼の最高気温は２７．６℃でした。今日は朝から晴れて夕方まで好天気でしたが、日没前に雲が広がり日差しが途絶えました。そのためか夜になっても気温が高めです。明日は今日よりも雲多めで推移しそうですが、雨の心配は無さそうなので安心して移動できます。

　さて、山口県阿武町の4630万円を誤振込み事件で２４歳の男が逮捕されました。容疑は電子計算機使用詐欺の疑いとのことですが、この件で逮捕って選択肢があったんですね。きっかけは町役場のミスとは言え、魔が差したにしては豪快な使いようで、ひょっとしてひょっとしたら本気で両さんのように増やしてから返そうとでも思ったのではないかと思ってしまいたくなる内容でしたが、本人が何を考えてあの暴挙に出たのか、その一端でも見えてくるなら逮捕というのも悪くないような気がします。税金についてもどうするつもりだったのか聞いてみたいですし。
　しかし、結局の所は町役場のミスが引き金を引いたのは間違いなく、罪とまでは言わなくても、それ相応の責任はやはりあると言わざるをえないでしょう。と言いつつも、実際にそのミスをやらかした２０歳の新人職員の罪かと言うとそれは酷だと思いますし、そもそもそれだけの大金の取扱いを新人にやらせるなど、お役所仕事にしてもひどいジョークだと思わずにはいられませんでしたが、上司と新人の２人しか居ない係で重要事を担当させたというのもひどい話ではないかと思います。結局の所、この小さな町が市町村合併を選択せずに町のまま行くと決め、役場機能を維持するために行財政改革の名のもとに様々なコスト削減に取り組んで、結果この重要な職場がたった２人しかも一人は入りたての新人というほとんど戦力外になるまで人を減らし続けたというのが、今回浮き彫りになった最大の問題ではないかと私は思います。別にこのミスをした職場に限らず、霞が関から都道府県庁、市町村役場まで、いわゆる公務と言われる職場から人がどんどん削られ、減らされた結果がこの体たらくではないでしょうか。あの北海道の観光船事故も、お座なりな検査になったのは検査側の怠慢だろうとは思いますが、ひょっとしたらそんな行財政改革のために十分な検査をするだけのマンパワーが足りなくなっていたのかもしれません。頼みの自衛隊だって人員が充足しているとは到底言い難い状況と聞きますし、今や日本中の公務現場は、オフィスも現場もこの手のミスがいつ起きても不思議ではない人手不足が慢性化しているのでしょう。そいつを国はＤＸでなんとかしようとデジタル庁まで作りましたが、まだフロッピーディスクが現役で幅を利かせる現場があるのに、なんとかなるとはとても思えません。