先日の社会福祉大会での児童虐待に関する講演を聞いていて思ったことですが、講師の生い立ちの中での虐待体験を聞いていて、虐待を受けている人をどう支援するかということと同時に、虐待を抑止するためには、その人を取り巻く人たちの課題のことも考えなければいけない、人との繋がりを考える必要があることを、政策の中に組み込む必要があるのではないでしょうか。
そのときにやはり「愛着」は鍵の言葉になると思います。それは親との関係だけでなく、まさにその子どもを守ってくれるという意味で“保護者”との関係だと思います。そのためには、私たち自身が“親”が子どもをみなければいけないという固定観念から脱する必要があると思います。
また、支配的なパーソナリティをもつ人の前で、自分の意志とは違う形の行動を強制される場合もある。マインドコントロール下に置かれてしまう場合もあることを、念頭に置く必要もあるでしょう。その場合、そのような傾向をもつ人は、往々にして第三者の前では本来の自分とは違うパーソナリティを演じる可能性があることも織り込むべきなのだと思います。
もうひとつの視点は、虐待環境におかれることも「子どもの貧困」の課題と私たちが受け止め、負の社会的相続をの影響をなくす、もしくは最小限にするために、子どもを取り巻く社会として分厚いセーフティネットを構築しなければいけないという意識を持つことだと思います。それこそが、いま私たちが子ども、次世代のために投資すべき最優先の課題だと認識するべきではないでしょうか。それを実現してから、他の要望事項を実現するという意識が政治にも求められると思います。
それを間違うと、問題は再生産されるだけでなく、より深刻度を深め、格差を拡大して、社会は不安定になると考えるべきだと思います。