自分が議員になろうとした動機のひとつに、地域の市民活動をしていた時、当時の市の管理職クラスの人と意見交換する場があり、その際、「バッジがついているかついていないかで、話の聞き方が違うのか?」を聞いたときに「違います」と言われ、そのようなまちではいけないと考えたことがあります。その考えを鈴鹿で実現していくためには、市議会議員となり行動することだと考え、三期十二年、議員活動の中で市民参加や地域づくりなどを訴えながらいまに至っています。
次の図は、三期目に学生インターンを受け入れているのですが、「市民、行政、議会」の関係を自分なりの考えとあわせて説明するためにつくったものです。この図を話すときは、行政も議会も市民と別のところにあるということではないということと、選挙の部分では、投票や立候補だけではなく、市長にも、議会と議員に対しても「リコール」の権利を持っていることを話しています。
この図の説明で押さえたいことは、「自分のまちを住みよいまち、魅力的なまち」にするには、市民としての関わり、行政職員としての関わり、議会(議員)としての関わりが考えられますが、別々に存在しているのではなく、「市民」に行政も議会も含まれているということです。ですから、行政も議会も、市民の皆さんが力をつけ、市を良くすることに参画できるような制度づくりをすべきだと、私は考えています。
このことについて、三期十二年の議会活動の中、いろいろと意見をしてきたことで、行政も議会も変わりつつあると考えています。しかし、このことは一人で実現したわけではなく、行政であれば関係職員の方々、議会であれば他の議員の方々や議会事務局職員の方々の動きがあってこそのものと考えています。
行政については、総合計画2023前期計画策定の際は、無作為抽出のアンケートからワークショップに参画するような動きがありました。都市マスタープランの策定の際も各地区別の検討委員会が開催されるなど、行政は参画機会を増やしていると思います。また、若い世代の参画についても、行政側は進めています。
議会についても、議会基本条例の制定後、市議会主催の議会報告会の開催が定例化していますし、昨年は鈴鹿市議会で初となる「ティーンズミーティング(高校生報告会)」の実施など、すこしずつ進んできていると考えています。高校生報告会については、広報広聴会議で実施することに私もこだわって発言し、それを当時の野間議長が拾い上げて頂いたことで実施につながったと考えています。
鈴鹿市では地域づくり協議会の動きも進めています。この動きについては、地域でどのようなことを実現するのか、その実現のために行政内部での連携は進んでいるのか、各種計画の中で“地域”の考えは共通したものになっているのか、地区市民センターの位置づけなども含めた団体自治の政策の進捗など、行政側の体制整理に不足があると考えています。しかし、この地域づくり政策を通して、住民主体の地域活動を活発にし、道路の維持補修なども含めて、地域で自律していく取り組みを進めることは、避けて通れないものだと考えています。
このような動きの中で、議員のすべき仕事はなにかということも精査し、議員定数のあり方も見直すなど、人口減少にあわせた改革を行っていくべきだと考えています。