これまで何度か中学校での部活動の改善を一般質問で取り上げ、それ以外にも担当課でいろいろと懇談を重ねてきたりしています。その部活動について、11月14日の信毎web記事ですが、『飯田の中学部活、1月「オフ」 放課後「新たな挑戦する時間に』を見出しとして、長野県飯田市で、来年1月の1カ月間を「放課後部活動オフ期間」と位置付け、試行として、おおよそ4時半の完全下校時刻以降は、平日の全部活動を取りやめ、それ以降の「社会体育活動」も完全に行わないと決めたとありました。
■信毎web 11月14日記事『飯田の中学部活、1月「オフ」 放課後「新たな挑戦する時間に』
自分の一般質問で考えた鈴鹿市の部活動の改善提案とは手法などが違いますが、飯田市の取り組みは非常に関心があるところで、試行期間を終えた後に、実施状況などをお聞きしてみたいと思っています。
さて、部活動の改善を考えるときにポイントとなる視点は、①生徒の多様な活動機会をつくる、②先生の労働環境の改善、ということで、これらに関係することから、外部の指導者の活用であるとか、飯田市の取り組みのような視点など、部活動の改善の取り組みが出てくると思います。①のことからは、学校での部活動は、なにもひとつだけじゃなく、2~3程度に関わって良いのではという考えにもつながると思います。
今回のブログでは改善案のことではなく、活動に取り組む時の価値観といえばいいのか、活動を通じた先をどう考えるのかという部分を考えたいと思います。
端的にいうと、部活動の指導の中で「生涯のなかで楽しむ」という観点がどこまで、どの程度の割合で考えて取り組まれているのかに、もう少し視点を向けて良いのではないかと、自分は考えています。中学校の期間だけではなく、もっと先、高齢者になったときにも、部活で関わったことを楽しんでくれているだろうか、どういう形で活動に関わるのだろう、ということを指導する際の考えの中に入れることが大切ではないでしょうか。
「生涯のなかで楽しむ」ということを指導において考えるだけで、おそらくですが、かなり部活動は変わるのではないかと思います。なぜなら、活動の前にまず、それぞれの人生を大切にすることが優先されようになると思うからです。そのことは生徒も先生も同じではないでしょうか。
また、「生涯のなかで楽しむ」という視点を持つと、上手さということだけが価値ではないということにつながるのではないでしょうか。たしかに、運動系にせよ文化系の活動どちらににしても成果や結果を出していることは、そこまでに至る過程などを考えると価値のあることです。しかし、目立つ成果や結果は出していなくても、高齢になってもその活動を大切にしていることも、同じくらいに価値があるのではないでしょうか。そこを教育活動としての部活動に組み入れるべきなのだと思います。
そして、生涯という時間軸で生徒のことを考えれば、成果や結果を過剰に追うところに意義があるわけではなく、また生徒による違いを尊重することが大切ということが、指導の中に自ずと入ると思います。また同じように、先生自身の人生を尊重することも、部活よりも先に考えるということが、ある意味で当然になると思います。
このような視点を、部活動の改革を考えるときに取り入れておくことが大切と思っています。