わかっている方は多いと思いますが、3月2日から春休みに入るまでの休校と、今回の5月6日までの休校は、特に教育内容がだいぶ違うものになります。そこへの対応を考えることがとても大切です。
ですから、私たち全員が子どもたちのことを考えて、中国発の新型コロナウィルスの感染拡大がこれ以上加速しないように行動することが非常に重要です。
どのように違いが出るのかというと、3月2日から春休みまでは、学年末から春休みまでの間で、ほぼ年間の授業が終わっていたり、終わる直前だったのですが、5月6日までの休校は学年の始まりになり、クラスの編成や、学習の立ち上がりなど、難しい課題が多くなります。少なくとも、約3週間近く授業ができないということは、その分をどこかで調整しないといけなくなるという意味でも難しいことになります。現実的に考えると、夏休みを短縮して対応することが考えられるでしょう。
大阪府箕面市では、児童生徒の自宅学習を支援するため、市立小中学校教員が授業動画を作成し、「YouTube」で4月13日(月曜日)から配信を開始し、4月30日(木曜日)までに計555本を配信する予定ということです。箕面市の取り組みは考えるヒントになるものだと思います。このように、オンライン授業やデジタル機器などを活用した授業も考えられますが、それらを準備するためには、はいやりましょうすぐにというわけにもいかない部分があります。
教員の方々は指導計画を作成して授業に臨んでいますが、年間、月間、週、一日と流れを考えて構成しなければ、再開後の授業とのつながりも大変になると思いますし、鈴鹿市においては、ICT機器を使う授業は基盤を整備して、これからというところだったので、その部分の対応も相当に大変だと思います。私も、ここのところ何度かオンラインの研修に参加していますが、そのようなことについては、普段から機器に接していたりしているために、ハードルは低かったのですが、児童や生徒がすべてそのように対応できるとは考えにくいものです。
そして、公立学校には家庭環境に貧困や虐待傾向など、多くの課題を抱える児童や生徒がいるという現実もあります。箕面市では動画を保存したタブレットの貸し出しを検討しているとありますが、家庭での学習環境に課題がある場合、機器を渡しても学習につながるかの心配があるでしょうし、保護者も学習に積極的になってくれるかが気になるところです。このような子どもさんたちの支援については、福祉的な側面からの検討も必要と考えます。
また新型コロナウィルスが下火になり、通常通り授業を再開すると仮定しても、感染拡大予防の観点はどうしても外せません。健康面のリスクや感染拡大のリスクがあるのなら、エアコンをかけて教室を閉鎖空間にしていいのかどうかを検討しなければいけないし、気温が上がってくれば、マスクの着用そのものもかなりストレス要因になることが予想されるので、子どもによっては着用しない子が大半になる可能性もないとはいえません。
また、下火になり経済活動が動くということは、保護者の方々の社会活動が増えることですから、そこでの感染リスクはどうしてもあるため、その対応も視野に入れていかなければいけないでしょう。
そして、この状況が5月6日の時点でも、まだ安心といえる状況ではなく、社会の動き次第では、より感染リスクが高い状況である可能性もあります。ということは、さらに休校を延長しなければいけない可能性もあると考えておくことが、リスクマネジメントの観点からも重要と考えます。つまり、今回の休校を決めたことは、その期間だけでなく、その先についても想定して、どのように対処するか複数の選択肢を考えなければいけないということになり、その部分でも非常に難しいものがあると思います。
まだまだこれ以上に教育面の課題はあると思います。気づいた点などをメールでご意見頂ければと思います。
まとめに、休校を決めたということは、学童保育をはじめとした子どもたちの居場所に関わる事業についても、人員の確保などの課題が出るということになります。現時点で、鈴鹿市がどのように対応するのかの考えは見えていませんので、その点をしっかり注視したいと思います。
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