鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

9月からの新学期の可能性と教育の変化を考える

2020年04月28日 20時55分10秒 | Weblog

自分は教育専門家ではありません。ですが、9月を新学期にすることについて、前向きに検討したほうが良いのではないかと考えています。

3月2日に初めて小中学校の休校措置が取られ、その後、鈴鹿市では4月の新学期が1週間遅れの4月13日だったものの、再度4月15日から5月6日までの休校となっています。そうしているうちに、岐阜県と愛知県では5月31日まで休校措置を延長するということが発表されました。そして、今日、4月28日、鈴鹿市も5月31日までの休校期間の延長が決まりました。

このような動きと現在の全国的な感染状況を考えると、国でも話題に出たり、このように大きく動かすことはありだという意見も多数出ているところですから、9月に新学期を開始するということを想定に入れ、国、文部科学省、大学も含めた教育機関全体として、早急に検討を進めるべきだと思います。。もちろん、現状通りという意見もあることは理解するところです。

ただ、新型コロナウィルスによる影響は一過性のものではなく、治療法や治療薬、ワクチンなどが確立されるまでは、社会的移動に対する制限を何度か繰り返しながら、対処していくことになるだろうという知見もあります。ということは、学校についても休校措置を何度も取らなければいけなくなる可能性が高いと考えたほうが良いでしょう。

他の地域の方の話ですが「休校期間が延びていくことにストレス(不安)を感じている、いっそのこと9月から新学期にしてほしい。」という声をお聞きしたことがあります。このようなストレスや不安は、社会を維持することを考えるときにも、個々の生活への負担を考えるときも、課題として大きいのではないでしょうか。いまのように、ずるずると後ろに下がっていくことを考えれば、目標を設定し、それに向かって行動していくほうが良いと思います。

また9月新学期を考える理由に、他には、仮に6月から学校が再開されるとして、これから湿気が高まり気温も高くなる中で、マスクの着用は子どもにとって非常に厳しいことや、教室でエアコンを稼働させることは、密閉空間をつくることになり、風邪などの感染症がうつりやすい環境になることから、エアコンの使用は難しいと考えるべきではないか、ということを想定していかなければいけないと思います。

それでは、5月から9月までの期間をどうするのかということですが、この期間を使い、オンライン学習の手法を確立するようにすればよいと思います。並行して、振り返りなども含めた基礎学力の定着と向上に取り組んではどうでしょうか。また、ICT機器や通信環境が手元になかったり、生活環境や学習環境に課題を抱える子どもさんたちへの対応も、この間に整理して取り組むことで、教育全体の整理が進み、結果として児童・生徒にとって良いものでできる可能性があるのではないでしょうか。また、感染症対策についても、取り組みが進んでいることも期待できます。

諸外国の学期の取り組みから考えても、9月に新学期を移行することには意義があると思います。今後、保護者の転勤などに伴う転校や、海外の学校に対しての留学がどのような状況になるかは見通せないところはありますが、新型コロナウィルスの影響に対して、対処の見通しが世界的に見えた時には、海外との学びの交流については大きなポイントになると考えます。そのあたりのギャップが小さくなることは、次の世代にとってメリットがあるのではないでしょうか。

そして、やはり大学のあり方を大きく見直してはどうかと考えます。

新型コロナウィルスに関して、地方から大都市圏への進学した多くの学生が、感染などに起因する健康不安や、経済状況が厳しくなることによる生活不安の中に居ることは、大都市圏に集中するリスクをこれまでと違う形で私たちに突きつけていると思います。大都市は若者を進学のような形で引き付け、それがいろいろな魅力の源泉となりながら、都市の活性化のエネルギーとしてきたと思います。しかし、いまの状況は、これからの私たちの社会にとって大切な世代を厳しい状態に追い込んでいると考えます。このようなことが見えているのに、この状況を変えないことは、私たちにとってはたしてプラスになるでしょうか。私は変えるべきだと思います。

そのように考えると、大学でオンライン授業を進めようとしている状況は、考え方を転換する大きなきっかけになると思います。なぜなら、1~2年生で履修する多くの科目について、大学施設という場に縛られる必要が限りなく小さくなると考えるからです。もちろん、この期間においても専門的に学ぼうとしている領域の学びには、スクーリングのような形で施設に行くことも考えられるかもしれません。しかし、基本的な学びについては、場にも時間にも影響をほとんど受けなくなるのではないでしょうか。

そのように考えれば、専門的に学ぶ期間のみ、長期的に場としての大学施設がある地域に居住する形にすればよいことになり、今回のような問題が発生した時のリスクマネジメントになるのではないでしょうか。仮に、大都市圏で大規模な地震災害とそれに伴う複合災害による被害が発生するとしたら、大都市圏の大学に通う学生がその地域に集中していたら、長期的に考えた時の人的損害やダメージは相当に大きなものになってしまうのではないか、そのようなことも考えに入れるべきだと思います。

また、オンライン授業を進めることで考えられることは、大学入試についても考え方を転換して、過度な受験学習に頼らない形にできないかという期待があります。施設規模に依存しない学習が可能であるのであれば、社会人にも定員枠を広げて、地域での教育、リカレント教育などの充実と重ねることも考えられるでしょう。そのようにして受講する学生を増やせば、一人あたりの授業料の低減も考えられますし、学ぶ人が増えること、多様性が拡がることは、結果として大学での学びを深めることになると思います。

その代わりに、専門的な学びに移行するには、基礎的な学びについて必要とする科目を設定して、それらをすべて受講して終了することと、社会での学びの経験や社会貢献などを評価基準に取り込んではどうかと思います。それができれば、大学での学びを社会に活かすことがより進むと期待できると思いますし、地域内の人材を育てるということにも力が入ると思います。一方で、増えすぎている感がある大学については、その意義がより問われることになると思います。淘汰もやむなしかもしれません。

話は元に戻りますが、9月に新学期を移行するということを考えながら、大きく教育のあり方を検討しなおすことがあって良いと思います。

 

 


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