日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

財政破たんを考える その18 増税と経済成長

2016-06-10 10:40:47 | 財政
団塊世代の高齢化が進行し社会保障関係費用の大
幅な増加が不可避である。

これを踏まえ、財政破たんを免れる為には増税と経
済成長のどちらを優先すべきであろうか。

総務省による社会保障にかかわる費用の将来推計
についてという資料によると2025年には2015年と
比較し社会保障の公費負担が15兆円増加すること
が見込まれている。これを全て消費税で賄うと7%程
度引上げ税率を15%以上にすることを要す。

国、地方を合わせた税収は約100兆円だが、15兆円
分増税すれば、それだけ国民から可処分所得が奪わ
れることになる。

15%も可処分所得を減らし、経済が維持でき予定通り
の税収が安定的に確保できるかどうかは大いに疑問
である。さらに、社会保障費の伸びは2025年で終わ
るわけではない。

政府や官僚勢力は増税しても成長は可能だと国民
を欺いて増税・国民負担増大政策を推し進めてきた。

しかし、その結果バブル崩壊後25年以上経過しても
日本のGDPはバブル期を上回れず、世界の先進国
で唯一名目GDPで成長できない国家となっている。

一般政府(国・地方自治体・社会保障基金)による年
間支出、政策的経費や公債利払い費、社会保障給
付費を合計した歳出で各国を比較すると。

2006年と2016年見込みで日本は177兆円から19
5兆円まで10%増加している。この間にイギリスは5
570億ポンドから7640億ポンドまで37%増加、フラ
ンスは9720億ユーロから12510億ユーロまで28%
増加している。(世界経済のネタ帳から)

高齢化は進行しているが日本の歳出増加は他の先
進国よりむしろ抑制されているが、経済成長できない
ことが財政悪化を招いている。

高齢化進行の圧力は大きく、その費用は莫大である。
この金額を経済成長しないまま増税だけで賄うことは
不可能である。

増税の必要性を全面的に否定するものではないが、
それよりは経済成長によるパイの拡大を優先すべき
であり、経済成長を妨害するような増税策は絶対に避
けるべきである。


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財政破たんを考える その17 7から16までまとめ+

2016-06-09 10:18:43 | 財政
今後急激に増加し財政はたんの要因となる財政支出
の最たるものは年金や健保等の社会保障費用の増加
である。

ある程度の人口構成の是正に成功したとしても、今後
少なくとも40年間は社会福祉関係費用の増加が日本
の財政を圧迫する。

しかし、財政収支が大幅に赤字になるからといって、
保険料の大幅増加や給付条件の大幅な悪化を実施
すれば、日本社会の秩序は崩壊し経済や社会構造の
破壊を招きかねない。

社会保障関係については、社会秩序の維持を前提と
する限り、根本的な財政改善となるような急激な改悪
は難しく、一本化し徐々に合理化していく以外にない。

社会保障費の圧縮が困難であればあるほど、他の
費用については可能な限り無駄を圧縮する必要が
ある。

国会の審議を得ない特別勘定については最小限に
抑えるべきであり、国会で審議する一般会計より特別
会計の方が大きいというのは異常である。他国並に特
別会計は一般会計の半分以下程度まで圧縮すべきで
ある。多くの特別勘定を一般会計として可視化するこ
とで多くの無駄が是正される可能性は高い。

また、補助金は原則廃止し、財政支出は長期的に日
本の経済成長に結びつくインフラ整備に使用する。

公務員の賃上げについては名目GDPの上昇・下落に
準拠すべきであり、外郭団体における公務員出身者に
ついては退職金を廃止すべきであり、仕事の実態に応
じた給与水準にすべきである。定年後の天下り職員に
1000万円以上の収入は不要である。

防衛費についても、アメリカがこれ以上の負担を求めて
くるのであれば見直しの余地は大きい。

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財政破たんを考える その16 健康保険 介護保険3.

2016-06-08 12:30:49 | 財政
高齢化の進行による医療費や介護費用の増加を解
消する根本的な方法は一つは経済成長と少子化の
解消により負担能力を増やすことであり、もう一つは
予防医療で病気になる者を減らすことである。

しかし、それには時間を必要とするので当面できるこ
とから直ちに対策する必要がある。

1.現在高齢者の医療費は1割及び2割負担に軽減
 されているが、高齢者の医療費負担だけ減額する
 合理的な理由はなく、一律3割負担にすべきである。
 但し、これ以上負担を増やし4割や5割とすることは
 医者にかかれない者や医療費負担が重く早期に医
 者にかかれず重症化させかえって医療費の増加を
 招く為賛成できない。

2.健康保険の一本化
 健康保険は組合健保から後期高齢者医療制度まで
 複数の制度に分かれており、制度間の格差が大きい。
 例えば月20万円の収入があった場合、介護保険を
 含む月額保険料は大企業のソニーでは20680円
 (本人負担は7760円)、中小企業加入者の多い協
 会けんぽだと23240円(本人負担は11620円)、国
 民健康保険だと大阪市一人暮らしの場合約3万円、
 後期高齢者医療だと22.5千円程度となる。特に国
 民健保や後期高齢者医療については自治体ごとの
 格差が大きく公務員共済については負担率が低い
 ことが指摘されていることから、全て健康保険制度
 を一本化し収入に対する保険料については同額とし、
 被雇用者については雇用者が別途支援額を決定す
 るようにする。

健康保険制度はそもそも多くの国民が安心して一定
の医療を受けることを目的とするものであり、特定の
患者の命を守る為に徹底的に治療することを目的と
するものではない。

その意味では健康保険で支払う医療費に一定額の
制限を加えることは合理的であり、治療しても植物状
態を脱することが困難な患者に対する命を維持するた
めに必要な高額医療費については一定額以上は保険
対象外とするのも合理的であり健康保険の趣旨に反す
るものではない。

安楽死は積極的には推奨しないが、その患者の生活に
責任を負う家族に治療を止める選択権を与えるべきで
ある。
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財政破たんを考える その13 年金3

2016-06-03 10:15:52 | 財政
年金はほとんどの高齢者の生活を支える基盤であり、
れを損なうことは大きな社会不安と混乱をもたらす
ことになる。

その為、年金に関しては不安定なものではなく、安定
的で信頼できるものとしての位置づけを守ることが結
果的に社会の利益になる。

支給開始年齢の現状維持、マクロ経済スライドの廃
止は年金制度の安定の為には不可欠であり、それ
を前提とし以下の改革を提案する。

1.厚生年金と国民年金を一本化し、年金保険料は
 固定額と収入に応じ相当する保険料を納めること
 とする。 尚、被雇用者については半額を雇用主が
 負担する。

2.現在、厚生年金保険の適用事業所となるのは、株
 式会社などの法人の事業所。従業員が常時5人以
 上いる個人の事業所(除く農林漁業、サービス業)
 であるが、例外なく全ての事業所を新年金適用事業
 所とし 1時間でも雇用すれば年金保険料を徴取し
 雇用主負担分と併せて納付する義務を負う。この
 義務に違反した時は刑事罰を課す。

3.現在年金を受給するには、保険料納付済期間と保
 険料免除期間の合計が25年以上であることを要す
 るがこれを廃止し、1時間でも加入すれば65歳から
 加入期間と保険料に相当する年金を受けることがで
 きる。これにより外国人出稼ぎ労働者のように日本へ
 の永住を考えていない者からも年金保険料を徴取す
 ることができる。

3.比較的数の少ない現役世代が多数の高齢者を養う
 という構造を是正する為、65歳以上の者についても
 受給する年金額及び他に収入があればそれも合算し
 た収入総額に相当する年金保険料を納付する義務を
 負う。
 受給する年金額については3年に一度見直しその間
 に納付した保険料相当分が次の受給額に反映される。
 現在実施されている給与収入がある場合の年金減額
 制度は廃止し、高齢者の労働意欲を損なわないように
 する。

4.上記措置をとった上でまだ年金財政が不足する場
 合は不足額を50年から100年の年金債券を発行し
 調達する。年金債券の返済原資としては、50年から
 100年の間少子化対策を徹底して実施することによ
 る人口構造の改善による年金財政の改善額を当てる。
 50年の間には団塊の世代だけでなく次に人口の多い
 団塊ジュニア等も消滅しており、少子化対策を着実に
 実施していれば、人口構造の改善は決して不可能な
 話ではない。

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財政破たんを考える その12 年金2

2016-06-01 10:43:46 | 財政
年金については、現役世代の保険料で高齢者の年
金を支払うという仕組みは少子高齢化の進行で存続
が困難であると見做されている。

これに対し政府は年金保険料の増額、年金受給年齢
の引き上げ、年金額の削減を繰り返しているが、これら
は年金に対する国民の不信を助長しているだけで根本
的な解決にはならない。

年金以外に高齢者の生活を支える収入がない現状で
は、一部のバカな論者が主張するような、大幅な年金
改悪はできない。

多数決による民主主義を前提とする限り、人口の多い
高齢者に致命的に不利になるような年金改悪を実現
することは不可能である。

投票権の年齢制限等を実現したとすれば可能かもし
れないが、そうなれば日本はもはや民主主義国家と
は言えない。

また、明治期に秩禄処分を実施した後、各地で武士
の暴動がおこったのと同様に、強引に高齢者の権利
を奪おうとすれば、多くの血が流れることを覚悟する
必要がある。

いずれにしても年金の急激な改悪は現代の平和で民
主主義的な日本を放棄することなしには難しい。

そもそも、それほど極端な変更には時間がかかり、
結果的に現在の40代の人間が最もその被害をうけ
ることになる。

少し古いが、平成21年度の資料によると、厚生年金
で過去の積立に関わる保険給付額に対し積立金が
550兆円不足している。

ということは、一時金を支払い年金を解散したり、年金
制度を全て確定拠出年金に変えることも革命でも起こ
らない限り不可能である。

現行制度を前提として社会制度や政治体制を破壊
することなく、円滑に着地させる解決方法を模索する
必要がある。
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