日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

高齢者貧困化政策で日本社会の安全は維持できるか

2024-06-26 09:45:30 | 日本の貧困化
日本社会では国民は高齢になるまでは働き、高齢になれば年金で生活することが想定されている。しかし、この前提が大きく揺らぎつつある。

少子高齢化による年金危機が強調され、マクロ経済スライドで年金額を毎年減額するだけでなく、高齢者の定義を繰り下げ年金の受給開始年齢を遅らせようとしている。

定年を延長し、できるだけ長く働かせることで年金開始年齢を遅らせ、マクロ経済スライドで年金額を減額することで年金財政を改善しようとするものである。さらに厚生年金対象を非正規にまで拡大すれば、年金財政が破綻するという心配はなくなりそうである。

問題は年金で老後生活を支えることができなくなるということである。デフレが終了し円安もあり物価は上昇し続けている。賃上げが言われているが年金生活者はマクロ経済スライドの影響でむしろ実質支給額は減少しており、購買力は年々低下し生活が苦しくなっている。

現在、年金を受給している高齢者は減額されてもなんとか生活できるかもしれないが、問題なのは今後年金生活に入る層である。

今の40代や50代が年金生活者になる頃には支給される年金ではおそらく生活することは不可能だろう。一方で高齢者の働き口が十分にあるかというと今の日本社会では難しい。

日本には根強い年齢差別が存在しており、高齢者が能力に見合う仕事を得るとは難しい。掃除とかガードマン、若者に使われる飲食チェーンでのアルバイト等、あまり労働意欲を感じさせない仕事に食べるためにつかざるをえないという状況に追い詰められるだろう。

生活保護はハードルが高い上に、多くの高齢者が申請すれば法律改正してでも生活保護対象者は削減されることになることは間違いない。

高齢者は家があっても生活が難しい年金額しか得られず、賃貸住宅であれば生活することは不可能である。しかも選り好みしなくても仕事が見つかりにくい状況に追い込まれた時、治安がいいとされてきた日本社会はその安定性を維持できるだろうか。

老後の新しい生活パターンを考え提供できない限り、安全な国という日本の神話は維持できなくなるだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

40代50代の貧困を放置すれば日本の安全神話は失われるだろう

2024-05-28 09:42:05 | 日本の貧困化
40代から50代といえば本来最も脂がのり日本の経済や社会を支える年代である。実際のところ現在の日本においてもこの世代がそれぞれ主要な地位を占め日本社会や経済をリードしている。

しかし、2000年当時と比較しこの世代は大幅に貧困化している。正社員として働いている者の賃金が減少しているだけでなく、非正規社員や派遣社員の比率が格段に増えた。

本来社会の中核であるべき40-50代の中で、非正規や派遣社員で働かざるをえず、結婚もできず、結婚しても子供を育てる余力がなく、老後資金を準備できない層が増加している。

さらに、社会との接触を一切たち、引きこもりとして老親の年金でかろうじて生きている層が存在している。

犯罪者の年齢を見ても、40代50代の者が犯人として報道されるのを見ることが増えている。日本社会の安定の為には40-50代の低所得者、引きこもりに対する対策は欠かせない。彼らがそのまま60代後半の老齢期に入る頃には日本は今とは様変わりな治安の悪い社会に変貌している可能性は高い。

高齢者の犯罪も増加している現在、現在の40代50代の貧困者が高齢者となり、少ない年金では生活できない境遇に追い込まれた時、高齢者による犯罪が激増したとしても何ら不思議ではない。

日本の安全神話は別に日本人の人種的高潔性で支えられてきたわけではない。以前の日本人には生活に困るほどの貧困がすくなかったからにすぎない。

今後、貧困中年が高齢者に突入するにつれ、安全神話の前提が崩れ日本の治安は加速度的な悪化するだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あえて非正規を選択する若者へ

2024-05-10 09:56:43 | 日本の貧困化
非正規雇用をあえて選ぶ若者が増加中という総務省の調査結果がある。25~34歳を対象に、非正規の働き方を前向きな理由(例えば「都合の良い時間に働きたい」など)で選択する人が、10年前の調査より14万人増えて73万人に上っているという。

非正規労働が感をされた当時、非正規の働き方には時間が自由であるとか、意に沿わない転勤がない。企業の都合で意に沿わない仕事につかされることがなく得意な分野で勝負できる等々のメリットが強調され、敢えて非正規を選択する学生も多かった。

当時は就職は売手市場であり、いつでも仕事を見つけることができるという環境も学生の意識に大きく影響していた。その点では今日とやや似ているように思える。

しかし、その後の就職氷河期により環境は一変し、非正規と正規の賃金や労働環境には大きな格差が生じ、今日の日本の貧困化の元凶となった。

今は確かに売手市場であり、人手不足を受けて非正規でもある程度は稼げる環境かもしれない。しかし、人手不足の後には必ず就職氷河期がくる。その時企業のリストラ対象となるのは非正規の雇用者であることは忘れてはいけない。

非正規労働からスタートするとしても、自分は何をしたいのかを良く考え専門的知識や技術を磨く努力を怠っていると年齢を経るにつれ厳しい状況に追い込まれることを良く理解して非正規の道を選ぶべきである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貧困化で希望を失い、心の余裕をなくし劣化が止まらない日本人

2024-04-26 10:02:36 | 日本の貧困化
日本人の特徴といえば、勤勉、真面目、謙虚、協調性、親切、礼儀正しい、などが指摘される。また日本は治安のよさや街の清潔さなどが評価されている。

しかし、最近様々な分野で日本人や日本のよさが失われている事例に気づくことが増えてきた。アルバイト店員が店の商品を汚す場面をSNSで流したり、汚い言葉で誹謗中傷する事例が後をたたない。

治安も悪化しており、行楽地ではごみ捨ても目立つ。昔は弱者の高齢者に対する犯罪などは軽蔑すべきものとして犯罪者でも避けてきたのが、今では弱者を集中的に狙う犯罪が増加している。

また、親切や礼儀正しさも薄れてきている。少子化解消が日本の重要目標であるにもかかわらず、幼い子どもを持つ親を「子持ち様」とやゆし、強く批判する声がSNS上で広がっている。SNSには子持ちではない女性が書き込んでいるとみられるケースが散見され、経済的な問題などさまざまな理由で結婚や出産を選択しない人が増え、既婚と未婚、子持ちと子持ちでない人の分断が深刻化している。

これらに共通するのは貧困化と将来への希望のなさである。貧困化で日々の生活におわれることで心の余裕がなくなり、ちょっとした他人への優遇に対し許容することができなくなっている。さらに将来への希望のなさが刹那的な行動をもたらしており、少しでも相手の非を見つければ徹底的に糾弾したり、ストレス解消の為の極端な行動や言動で憂さ晴らしをしている事例も多くなっている。

日本を立て直すには、昔の総中流化のように、普通に働けば将来の心配なく子育てできる環境を復活することが必要である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全ての職業が同じ価値を持つなんて思っている者はほとんどいない。建前ばかり言っているから日本は衰退する。

2024-04-03 09:49:40 | 日本の貧困化
職業差別発言と叩かれ静岡県の川勝知事がついに辞職に追い込まれた。リニア新幹線にとってはグッドニュースである。

しかし、あの程度の発言で大きな批判が集まるところに今の日本人の余裕のなさが推察できる。生活に余裕がなく現実生活に不安や不満を持つ者が多くなっており、相手のちょっとしたミスや自分とは何の関係もない他人の不倫に目くじらをたて建前の正義を背景に徹底的に追い詰めるようなことが常態化している。経済の長期にわたる低迷がもたらした貧困化が日本人の質を低下させてきたことの現れである。

別に公務員が農業者や畜産業者より尊い仕事だとは思わないが、仕事が全て平等で等しく価値があるというきれいごとを本気で信じている日本人はごく少数だろう。

本音では誰もが仕事によって世間の評価が異なることを理解している。他人にはまねできない能力を必要とし、多額の報酬が得られるか、大勢の称賛を得られる仕事と、低賃金しか得られず誰でもやろうと思えばできる参入障壁の少ない仕事では明らかに価値が異なるのである。

他人のちょっとしたミスを鬼の首をとったかのように責め立てる正義中毒は今や貧困化し世界から反面教師とされている日本人の国民病となりつつある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする