日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

下請けイジメはトヨタだけでなく日本の大企業共通の悪弊

2024-07-12 10:04:43 | 企業
公正取引委員会がトヨタ自動車の子会社、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントの下請け法違反を認定し、再発防止を求める勧告を行った。

市販車を改造するマニア向け部品などの製造に必要な「金型」を、下請けメーカーに無償で長期間保管させていた。2022年7月以降だけで、保管を強いられた企業は49社に上り、倉庫の賃料などの負担は総額数千万円に達する可能性がある。

下請けに対する極端な値引き要請や、材料費や人件費の上昇分の価格転嫁を認めなかったり、人員を無償で提供させたり、自社商品を買わせたり、今回のような事例は枚挙にいとまがない。

欧米の先進国では厳しく禁じられている優位的地位の乱用が日本の大企業では常態的に行われている。このことが日本企業の革新を阻害し海外企業との競争に負けている一つの要因でもある。

バブル崩壊後の不況期をリストラや下請け業者へのしわ寄せによるコストカットや設備投資の削減で乗り切った結果、企業革新や事業の再編成、企業体質の改善が進まず、企業革新を済ませた海外企業との競争に負けたのが今日の日本の惨状である。

徹底的に下請けいじめをなくし、低賃金を改めることこそが日本企業が再び世界を席巻するための第一歩である。

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日本企業で不祥事が長期間発覚しない理由

2024-07-01 10:17:49 | 企業
日本企業の不正が多々明らかになり、日本企業への信頼が揺らいでいる。経営者の資質の問題もあるが不祥事の全てが経営者の無能によるというわけではない。原因はむしろ日本の株式会社システム及び法律の欠点によるものである。

日本の政治的伝統の中では独裁者は少なく、歓迎されない。しかし、政治以外の分野に目を転じれば、日
本は小独裁者で溢れていることに気づく。

実は、日本では企業経営者はオーナー経営者でなくても誰でも独裁者として君臨できるシステムになっている。

多くの日本の上場企業では、取締役のほとんどはその生涯を会社に捧げてきた社員出身者である。社長の就任期間が長ければ長いほど取締役のほとんどが現社長により昇任させられた者となり、取締役会は社長の経営を監視する機関ではなく、協賛する機関になってしまっている。

これでは、経営のチェッックも反モラル行為への牽制も内部からは起こりえない。

これを改善する方法として採用されつつあるのが社外取締役制度である。会社法改正で日本でも社外取締役の制度が導入されたが不十分で機能していないことは、各社の不祥事の例をみても明らかである

肝心なのは、会社から実質的に独立した独立取締役の選任を義務づける制度である。日本においても社外取締役の最低人員が定められたが、経営陣からの独立性という点においては十分ではない。

アメリカのNYSE規則は、監査委員会と報酬委員会は全委員が独立取締役でなければならないと定めている。日本でも監査委員会は過半数が社外取締役でなければならないと定めているが、これも社外取締役に独立性がなければ有名無実である。

一応日本においても、外部や株主からの批判を避けるために監査委員会や報酬委員会等経営陣の権限を制約する組織は導入されてきたが、これらの委員会を社長等の経営者権限への制約として本当に機能させるまでには至っていない会社が非常に多くあり、実質的には機能していないところが多い。これが不祥事が見過ごされる遠因となっている。
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ジョブ型の転職環境を整備しないと日本企業は海外企業に勝てない

2024-05-21 10:32:32 | 企業
日本企業では、昔からメンバーシップ型での採用を進めてきた。メンバーシップ型とは、人をまず採用し、さまざまな仕事を経験させたうえで、業務適性を見極め、従業員のスキルや能力に基づいて最終的にその人に適した仕事に人材配置をする方法である。


これに対しジョブ型人事制度とは職務(ジョブ)に合う人材を採用し個々の仕事に応じた適性や適格性を重視し、最適な人材を配置する制度で、その職務に対する、会社の中での仕事内容、責任範囲、役割、期待される成果、報酬額などがひとつひとつ定義されている。


今ジョブ型人事制度が注目される最大の理由は日本的雇用制度の競争優位性がなくなったからである。バブル期には日本的な経営が日本企業の強みとされてきたが、現在ではそれは日本企業の競争力が弱い原因とされている。また、高齢社員の増加と技術進歩により、従来の年功型の人事制度を維持することが難しくなったこともその要因である。


日本企業の競争力が低下した原因として優秀な人材の獲得と活用という点での劣勢が指摘されており、それを解決する手段としてジョブ型人事制度が注目されるに至った。


従業員個々の質を高めるには、キャリアの自律や世間で通用する力を身に付けてもらう必要がある。変化と脅威にうまく対応するには、多様な人材の組み合わせや、新たな能力を持つ人材の確保、社外との連携を積極的に推進する、などの対策が必要であるが、これらの実現にはやはりジョブ型の雇用制度のほうが適している。


現在先進的な企業は採用時に希望を細かく聞き取り、希望に沿った配属を行うことでジョブ型の採用に近づけようとしている。しかし、社会経験がなく専門分野へのノウハウを持たない新卒の希望に沿った配属をしたところでジョブ型人事制度の実を上げることはできない。


実際に特定の分野で実績を残した人材を転職で確保する体制が整備されない限り、本当の意味でのジョブ型人事制度は実現できない。


そこで問題となるのが、専門知識に関する能力を客観的に評価する能力である。ジョブ型人事の確立しているアメリカ企業であれば、どの地位でどんな仕事をしていたという事実だけで能力を推定することは可能である。


しかし、日本企業のように年功序列により経理を知らない経理部長や情報システムを知らない情報システム部長が存在するようなところでは、経歴を見ただけでは能力が判断できない。


客観的な能力評価のシステムの確立が急務である。
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社会人の必修知識としてICT知識を位置づけることが必要

2023-08-15 10:11:38 | 企業
昔は社会人としての必修知識として読み書きそろばんということが言われてきた。文字・文章を読むこと,内容を理解して文章を書くこと,および計算すること,ならびにそれらができる能力をもっていることが近世末期以降,初等教育における基本的な教育内容とされ,また初等教育で獲得させる基礎的な能力として考えられてきた。

現在ではそろばんに代わり英語能力が重要視されるようになってきた。さらにICT能力の必要性が認識され教育現場でもICT教育が加わってきた。


しかし、ICT教育をうけた人材が社会に進出するにはまだ時間がかかる。日本が外国に遅れをとっているのは現役の社会人のICT知識が外国に大きく後れをとっているからである。

日本企業が外国企業に伍して戦うには、経営戦略にITCを反映させることが必要であるが、日本の経営者のITC知識が外国の経営者と比べて大きく劣っており、経営戦略もITC以前の旧態然としたものにとどまっている企業が多い。

この弱点を克服するには。現役の若手社員に徹底的にICT教育を行い。経営戦略に自然にICTを取り込めるような人材を育成して可能な限り早く経営層まで育成することである。

これができないと日本の企業の地位は低下し続けるだろう。
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日本企業衰退の大きな原因は年功序列制度にある

2022-10-06 09:35:47 | 企業
1980年代、日本経済はジャパン・アズ・ナンバーワンと称されていて、企業の時価総額ランキングでは、世界のトップ10社の中に日本企業が7社も入っていた。ところが現在では、トップ50社の中にトヨタが36位と1社入っているだけである。

1980年代当時日本的経営が理想的な経営とみられていた。しかし、現在では年功序列、終身雇用制で、役員も社長も基本的に社員から出る日本的経営が日本企業衰退の原因と見做されている。

年功序列制度の最大の問題は無能な社員が上司として部下を持つことにある。組織の能力はそのトップの能力によって制限される。どんなに優秀な部下がそろっていてもその部署のトップが無能だと能力を発揮することはできない。

無能な社員が年齢が一定に達したというだけで上司としてその組織のトップにつけば、それだけでその部署は十分な働きができない。日本の大企業には部や課等多くの組織があり、そのかなりな部分に年功だけでトップになった者が居座ることで、日本の大企業は優秀な人材を集めているにもかかわらず、お粗末な成果しかあげられていない。

また、その年功人事の中で育った人間が様々な部署を経験し経営トップまで上り詰めるのに必要なものは仕事の能力ではない。

年功序列組織のそれぞれの段階の上司から高評価を受け続ける為に有効なのは明らかにどんな上司にも好かれる世渡りの能力である。

日本の経営者が調整能力はあるが、専門的知識や能力に関しては欧米の経営者に大きく劣り、新規事業の開発や迅速な意思決定において後れをとるのは、その選考過程の欠点にある。

年功序列を止め、経営専門家を育成し彼らをトップに据える人事体制を確立できない限り、今後も日本企業は負け続けることになる。
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