日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

孤独死が普通の死に方になった日本という社会

2025-01-07 10:17:04 | 高齢化
団塊の世代が全て75歳以上になった日本において、これから顕著に増大すると予想されているのが高齢者の孤独死である。

かってのような家族に囲まれての死は多くの高齢者にとっては夢物語になりつつある。これは子供のいない高齢者だけでなく子供がいる高齢者にとっても家族に囲まれての死は難しくなっている。

今の日本社会においては子供のいない単身者か増加していることもあるが、子供がいたとしても近くに住める世帯もまた少なくなっている。

勤労者が普通の日本社会においては親子が近くに住むことは難しく、多くの高齢者は夫婦または一人で生活している。

高齢になり夫婦の片方が死んだとしても、残された親が子供を頼ることは難しくなっている。30年にも及ぶ日本経済の停滞の中で子供世帯に親の面倒を見るだけの経済的余裕がない場合が多いからである。

親が要介護になった時点で問題は表面化する。親が金をもっていればなんとかなるが、親に金がない場合子供が親の面倒を見るのは経済的にも体力的にも難しいからである。

単身世帯だと問題はより深刻である。親の面倒を見る為に仕事をやめざるを得ないケースも多く見られる。その場合共倒れになることが多い。

一方で親との関係を断つケースもみられる。居宅介護事業者によると、「家族がいても遠方の場合などは、金銭管理や緊急の連絡先はお願いしても、それ以外の大部分は介護サービスで担うことになる。また、電話もとってくれず、亡くなった時だけ連絡してくださいと言われることもある。」

居宅介護事業者を利用できる高齢者は死んでも何とかそう日がたたない内に発見されることが多いが、利用できない多くの高齢者は結果的に死後相当の日数を経て発見されることになる。

今後も一人暮らしの高齢者は増加し続けることが予想されており、地域社会の中に高齢者を見守る為の組織を整備しない限り、今後は日本では死後何か月も発見されない孤独死が普通の死に方になるだろう。
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経済の足を引っ張っている増税と社会保障負担増

2024-10-04 10:17:03 | 高齢化
ゆるやかなインフレが続くことでGDPが成長するだけでなく、財政状況にも改善がみられる。このまま安定的なインフレを維持できれば経済も財政も改善が期待できる。

しかし、少子高齢化の影響で、日本の約3~4割は年金で暮らす無職世帯となっており、賃金が上昇しても、なかなか個人消費が増えにくい構造になっている。今日本では2%以上のインフレが続いている。決して激しいインフレではないが、年金で生活する世帯にとって無視できない負担となっている。

この問題を放置していては安定的な成長を継続することは難しい。

そもそも日本でGDPの最大構成要素である個人消費が弱いのは、増税と社会保障負担増により国民負担率が急上昇したからである。

G7諸国の国民負担率を、2010年を基準に比較すると日本の国民負担率だけがダントツで上がっている。消費税が2度にわたって引き上げられたほか、社会保険料も引き上げられている。日本経済が停滞し、賃金が下がっている中、家計の負担ばかり増えていた。これでは個人消費が拡大して経済が成長することは期待できない。

年金生活者層に支援をするだけでなく、今後の増税や社会保障負担増大の不安を払拭し、安心して貯蓄を消費に回せる環境を整備すべきである。
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高齢化問題は財政の問題ではなく、国民生活をどうするかという問題である。

2024-09-18 09:47:39 | 高齢化
少子高齢化が日本の大きな問題であることに関しては国内でコンセンサスが得られている。しかし、政府の政策の実態を見れば少子高齢化は数ある問題の一部として扱われているにすぎない。

しかし、これは大きな間違いである。一言で少子高齢化と言うが、日本社会に対する影響を考えると直近20年程度は高齢化の進行が最大の問題であり、少子化に関しては20年以降に本格的に悪影響が顕在化する。

財務省を代表とする官僚勢力やそれに操られている政府は、高齢化の進行に関して社会保障費の増加に伴う財政危機が最大の問題点だと捉え、年金減額に代表されるように社会保障制度の改革という名の改悪をもって高齢化対策の中心に据えている。

しかし、これは大きな間違いである。高齢化の進行に対し政府が対策のターゲットとすべきなのは財政ではなく国民生活である。

3人に1人が65歳以上の日本社会において、高齢者の生活はすなわち国民生活そのものである。政府は財政問題を憂慮する以前に高齢化社会において国民生活をどう維持するのかを考え早急に対策することが必要である。
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深刻な高齢者の格差拡大

2024-08-21 10:21:59 | 高齢化
老後生活に年金だけでは2000万円不足するという金融庁の発表が物議をかもしたが、今ではこの金額はさらに拡大しているらしい。

実際は正社員の場合、退職金が期待できるので、退職時に住宅ローンが残っていなければ年金と退職金の取り崩しでそれほど預金がなくても生活できることになる。

夫婦共正社員の家庭の場合は二人分の厚生年金がある為、年金収入だけで月26万円を上回り、さらに3000万円以上の退職金も期待でき老後生活をあまり心配する必要はない。

彼らはめぐまれた老後をおくれる所謂勝ち組である。

一方で正社員として働いても、退職金が少ないか出ない中小企業に勤めてきた場合は老後資金が不足することになる。しかもこの場合給与も高くないことが多いので2000万円の老後資金を蓄えることも難しい。

非正規社員として働いてきた者の老後は悲惨である。そもそも厚生年金ではなく国民年金しか加入できない場合も多い。この場合は夫婦共満額国民年金をもらったとしても月12万円程度の年金しかなく、同じように計算すれば5000万円以上不足することになる。当然退職金は無く貯蓄する余裕もないことからこれだけの資金を用意できるはずもなく、完全に老後に破綻する。

正社員3500万人に対し非正規社員は2100万人に達している。非正規社員については、ほぼ老後に何らかの支援をえることなく生活することは不可能なのが今の日本の実態である。

問題なのは政府がさらに年金を改悪し社会保障負担を増加させようとしていることである。その結果、非正規層や退職金の出ない会社に勤務していた者だけでなく、普通に退職金の出る会社に勤めていた比較的賃金すくなかったそうまでもが老後を安心して生活することが難しくなりつつあることである。

このまま政府が同様な政策を継続すれば、国民の半数以上が75歳以上になれば破産することになっても不思議ではない。


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介護保険制度ではヘルパーは増えず介護システムは崩壊する

2024-07-24 08:54:11 | 高齢化
介護の人手不足が続いている。 訪問介護のホームヘルパーの平均年齢は、各職種の中で最も高い54.4歳。ヘルパーの年齢層は60歳以上65歳未満が13.2%、55歳以上60歳未満が12.3%、70歳以上が12.2%を占めており、今後、年齢を重ねてリタイアするヘルパーが一段と増えていくとみられている。

介護ヘルパーが増えない原因は採用が難しいからである。介護の仕事は「介護記録の記載」「おむつ交換」「入浴介助」「利用者とのコミュニケーション」など、拘束時間が長く、かつ精神的な負担が大きい業務が多い割に賃金が安いことから不人気業種になっている。

介護は介護保険に依存している為、介護保険の財政面への配慮が本来の介護の実態以上に重視されていることが低賃金の原因であり、介護職があまり魅力的でない原因となっている。

賃金を上げる為に介護報酬が上がると利用者の負担や介護保険料を上げざるをえなくなる。実際問題利用料負担や介護保険料負担は既に介護保険発足時から大幅に上昇しており、これ以上の負担増は難しい段階に達している。

その為むしろ訪問介護に関してはサービスの基本報酬は引き下げられる傾向にある。基本報酬が下げられるのは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護で、 ホームヘルパーになるには、130時間の介護職員初任者研修などを受ける必要があるなど、それなりに高いハードルがあるが、 ハードな割に給料や労働条件が見合っていない。

これには財源の問題以外に、介護が女性の仕事で、女性の仕事だから誰にでもできるだろう、賃金は低くてもよいだろうという官僚の独善的な思い込みも関係している。実際のところ介護職の女性比率は70%を超えている。


また、介護保険制度では、財政面から外出介助や生活援助に制限があり利用者も不便を感じているがヘルパーにとっても仕事への意欲を失う原因になっている。

ヘルパーは、その人の生活全体を見渡し、必要な援助を見極め、生活をささえられたときに仕事に喜びを感じやりがいを得ることができるのだが、サービス制限があることがそれを妨げている。

そもそも厚生労働省の思い付きで十分に国民的議論をせずに導入された介護保険制度はもう限界がきている。高齢化社会の中で既に保険負担能力にも介護費用支払能力にも限界がきている現状ではもう一度原点に返り老後の介護制度全体を見直す必要がある。

民間保険の拡大や税金の投入、場合によっては安楽死制度の導入も含め、日本国民の老後の在り方について年金や健康保険もからめて国家の方向性を再検討する必要がある。



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