日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

従業員の能力や勤勉さでは劣っていないが、経営者の能力の低さが日本の生産性が低い理由である

2024-07-02 10:28:58 | 企業
日本生産性本部によると、日本の就業者1人当たり付加価値は、2022年時点で8万5329ドルであり、経済協OECD加盟38カ国中31位に落ち込んでいる。既に韓国にも負けている体たらくである。

日本人個々の能力がヨーロッパや韓国に劣っているとは日本人であれば誰も思っていないが、数字は厳しい現実を表している。

本当に個々の能力では劣っていないとしたら何が日本の生産性を低くしているのだろうか。いろんな説が言われているが一つは日本企業の体質である。

多くの日本企業は、高度経済成長期以来「いかに良いモノをより安く大量に供給できるか」を競いながら成長してきた。過去の松下幸之助の水道哲学などはその代表である。

しかし、それには常に人口が増加し続けるということが前提として存在した。だが、少子高齢化の進行で国内市場に対する成長期待が著しく低下したのである。成長期待の低下が日本全体を覆い尽くし、企業は製造設備などのモノへの投資だけでなく、日本国内でのヒトへの投資も抑え込み、企業の投資を起点とする将来に向けた市場の創出に自己抑制がかかり、ヒト・モノ・カネの動きが著しく停滞してしまった。

その結果、企業も個人も経済活動を委縮させてしまい、新たな市場やこれまでにない付加価値を創出するようなイノベーションは起こりづらくなっていった。

人口減少を前提とするなら、良いモノをより安く、多くの人に売る戦略から良いモノをより高く、繰り返し使ってくれる人に売る方向に戦略変更すべきであったが、日本企業はそれができなかった。

良いものを安く売るのであれば、既存の製造工程の合理化や仕入先への値下交渉で対応できるが、高く売るためには付加価値の高い新商品の開発やマーケティングの改革が必要となる。

そしてこれらは経営者の役割である。日本企業が付加価値の高い商品を開発し高く売ることができないのは日本企業の経営層の無能さに原因がある。

減点主義で冒険せずミスの少ない者がトップに座るような日本的な人事を継続している限り、従業員個々の能力が
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日本企業で不祥事が長期間発覚しない理由

2024-07-01 10:17:49 | 企業
日本企業の不正が多々明らかになり、日本企業への信頼が揺らいでいる。経営者の資質の問題もあるが不祥事の全てが経営者の無能によるというわけではない。原因はむしろ日本の株式会社システム及び法律の欠点によるものである。

日本の政治的伝統の中では独裁者は少なく、歓迎されない。しかし、政治以外の分野に目を転じれば、日
本は小独裁者で溢れていることに気づく。

実は、日本では企業経営者はオーナー経営者でなくても誰でも独裁者として君臨できるシステムになっている。

多くの日本の上場企業では、取締役のほとんどはその生涯を会社に捧げてきた社員出身者である。社長の就任期間が長ければ長いほど取締役のほとんどが現社長により昇任させられた者となり、取締役会は社長の経営を監視する機関ではなく、協賛する機関になってしまっている。

これでは、経営のチェッックも反モラル行為への牽制も内部からは起こりえない。

これを改善する方法として採用されつつあるのが社外取締役制度である。会社法改正で日本でも社外取締役の制度が導入されたが不十分で機能していないことは、各社の不祥事の例をみても明らかである

肝心なのは、会社から実質的に独立した独立取締役の選任を義務づける制度である。日本においても社外取締役の最低人員が定められたが、経営陣からの独立性という点においては十分ではない。

アメリカのNYSE規則は、監査委員会と報酬委員会は全委員が独立取締役でなければならないと定めている。日本でも監査委員会は過半数が社外取締役でなければならないと定めているが、これも社外取締役に独立性がなければ有名無実である。

一応日本においても、外部や株主からの批判を避けるために監査委員会や報酬委員会等経営陣の権限を制約する組織は導入されてきたが、これらの委員会を社長等の経営者権限への制約として本当に機能させるまでには至っていない会社が非常に多くあり、実質的には機能していないところが多い。これが不祥事が見過ごされる遠因となっている。
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