音楽ジャーナリストの林田直樹さんがこうツイートした。「日本のオーケストラが本当に危ない。ある筋から聞いた話では、すでに3億もの損失を出している楽団もあるとのこと。このまま公演ができない状況が続けば、楽員を解雇するか、潰れるかのどちらかだろう。どうやって彼らを支援するか、周囲で真剣に考えていかなければ。」(「LINDEN日記(林田直樹)」2020年4月22日)
わたしは先日、東京シティ・フィルの「緊急支援のお願い」を受けて募金したが、危機的な状況にあるオーケストラは他にもあると思う。では、「どうやって彼らを支援するか」。その具体策になると、考えあぐねてしまう。
そんな折、iPS細胞の研究で知られる山中伸弥教授のホームページ「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」で、「著名な癌研究者であり、サイエンスライターでも」ある東大・岐阜大名誉教授の黒木登志夫教授の提言を知った。以下、引用すると――
「政府は国民一人に10万円を配分します。皆さん10万円を受け取りましょう。もし、あなたが生活に困っているのでなければ、家族の分を含め全額を、コロナと戦っている組織、コロナで困っている人を助けている組織に寄付しましょう。」(コロナウイルスarXiv(7)2020年4月21日)
わたしは共感した。黒木教授は、文脈からいって、直接的には医療関係者を念頭に置いているのかもしれないが(そして医療関係者が最重要なことはいうまでもないが)、「コロナと戦っている組織、コロナで困っている人を助けている組織」まで拡大している。わたしたちも、自分にとって本当に大事な組織があり、その組織がコロナで困っているなら、ピンポイントでその組織に10万円を(あるいは家族の同意を得られるなら、家族の分を含めて)寄付することは、あり得る手だと思う。
わたしはいま5つの在京オーケストラの定期会員になっている。それらのオーケストラがなくなると、わたしの生活は寂しくなる。いや、生活というよりも、「人生」といったほうがいい。それだけ大事な存在だ。それらのオーケストラのいくつかが存続の危機にあるなら、そこに支援したい。
ドイツのモニカ・グリュッタース文化相は「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べて、大規模支援を打ち出した(2020年3月30日付け「ニューズウイーク」)。さらに、それでは不十分だとして、独自の支援策を講じている州もある。我が国では今のところ、この種の強いメッセージと支援策が出る気配はない。それならば、我々はできることをするしかない。
わたしは先日、東京シティ・フィルの「緊急支援のお願い」を受けて募金したが、危機的な状況にあるオーケストラは他にもあると思う。では、「どうやって彼らを支援するか」。その具体策になると、考えあぐねてしまう。
そんな折、iPS細胞の研究で知られる山中伸弥教授のホームページ「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」で、「著名な癌研究者であり、サイエンスライターでも」ある東大・岐阜大名誉教授の黒木登志夫教授の提言を知った。以下、引用すると――
「政府は国民一人に10万円を配分します。皆さん10万円を受け取りましょう。もし、あなたが生活に困っているのでなければ、家族の分を含め全額を、コロナと戦っている組織、コロナで困っている人を助けている組織に寄付しましょう。」(コロナウイルスarXiv(7)2020年4月21日)
わたしは共感した。黒木教授は、文脈からいって、直接的には医療関係者を念頭に置いているのかもしれないが(そして医療関係者が最重要なことはいうまでもないが)、「コロナと戦っている組織、コロナで困っている人を助けている組織」まで拡大している。わたしたちも、自分にとって本当に大事な組織があり、その組織がコロナで困っているなら、ピンポイントでその組織に10万円を(あるいは家族の同意を得られるなら、家族の分を含めて)寄付することは、あり得る手だと思う。
わたしはいま5つの在京オーケストラの定期会員になっている。それらのオーケストラがなくなると、わたしの生活は寂しくなる。いや、生活というよりも、「人生」といったほうがいい。それだけ大事な存在だ。それらのオーケストラのいくつかが存続の危機にあるなら、そこに支援したい。
ドイツのモニカ・グリュッタース文化相は「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べて、大規模支援を打ち出した(2020年3月30日付け「ニューズウイーク」)。さらに、それでは不十分だとして、独自の支援策を講じている州もある。我が国では今のところ、この種の強いメッセージと支援策が出る気配はない。それならば、我々はできることをするしかない。