Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

東京シティ・フィルの「緊急支援のお願い」

2020年04月18日 | 音楽
 東京シティ・フィルが募金活動を始めた。「【緊急支援のお願い】東京シティ・フィル応援募金のお願い」(※)の一節を引用すると――

 「新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、東京シティ・フィルでも演奏会の中止・延期を余儀なくされており、お客様に生の演奏をお届けできない状況が続いております。このままですと、自主運営という団体の性質上、楽団の存続が危うくなることも時間の問題となって参りました。」

 多くの方が危惧した事態が現実のものになりつつある。東京シティ・フィルは2月の定期はかろうじて開催できたが、3月と4月の定期は開催できず、それらは「延期」の形でしのいだが、5月の定期は「中止」になった。これからその払い戻しが始まる。また事務所の賃料その他の固定費が継続してかかっているだろう。楽員の給料はどうしているのか‥。内情をまったく知らない一定期会員のわたしだが、その経営が心配になる。

 そんな折に上記の募金活動を知ったので、わたしもささやかながら募金をさせてもらった。募金はチケットの予約システムを使っているので、1枚1000円の自由席チケットを任意の枚数購入する仕組みになっている。最初は面食らったが、「なるほど、そうか」と理解して無事募金を終えた。

 募金後、東京シティ・フィルのツイッターを見ると、何人かの方々が応援のメッセージを寄せている。それに応える東京シティ・フィルのツイート。それらの応答を見るうちに、思わず胸が熱くなった。

 東京シティ・フィルは熱いオーケストラだ。演奏はもちろんだが(わたしは東京シティ・フィルの演奏をいつも共感を持って聴いている)、このようなSNSでの発信も熱い。また楽員のSNSも熱い。その東京シティ・フィルが存続の危機に陥っているのなら、貧者の一灯かもしれないが、募金をさせてもらい、また地味なブログながら、このブログでも紹介させてもらいたいと思った次第。

 わたしは学生時代に、分裂直後の日本フィルの定期会員になった。それから今まで46年間にわたって日本フィルの苦楽を見てきた。知り合いになった楽員もいる。もう退団しているその元楽員に聞くと、今の日本フィルも苦しいらしい。日本フィルも東京シティ・フィルも潰してはいけない。わたしは以前、新星日本交響楽団の定期会員だった。同楽団は東京フィルに吸収合併されたが、そのときオーケストラがなくなること(=そのオーケストラ固有の音がなくなること)の寂しさをいやというほど味わった。もうその思いは繰り返したくない。だが、今の状況は厳しい。

(※)【緊急支援のお願い】東京シティ・フィル応援募金のお願いhttps://www.cityphil.jp/news/detail.php?id=149
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする