平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花ざかりの君たちへ 第7話

2007年08月15日 | 学園・青春ドラマ
 ドラマは葛藤。
 芦屋瑞稀(堀北真希)、佐野 泉(小栗 旬)、中津秀一(生田斗真)はそれぞれに葛藤を抱えている。

★瑞希
 佐野のことが好き。でも佐野に向かって走れない。
 自分が桜咲学園にやって来たのは佐野を跳ばせるため。
 佐野が跳んでしまった以上、ここにいる理由はない。
 アメリカに帰ろう。
 帰ろうと思ったのは、佐野にこれ以上の恋愛感情を持ってしまうことが怖かったから。佐野から離れるための言い訳。

★佐野
 高まる瑞希への気持ち。思わず抱きしめてしまった。
 だが一歩踏み込めない。
 自分がまだ跳べていないから。
 あるいは自分を表現するのが下手だから。
 瑞希が帰るのを止めることが出来ない。
 「それは瑞希が決めたことだから」と言うのは言い訳。

★中津
 瑞希のことが好き。
 でも一歩踏み出せない。
 瑞希が男だから。自分はホモではない。
 瑞希は佐野のことが好き、佐野も好きみたいだから。
 その葛藤を解消するためにこまりちゃんに走る。
 「遅れてきた七夕まつり」でこまりと屋上に行き、瑞希のことを忘れたい。

 三人に共通しているのは、恋の苦しみ。
 相手に対して一歩踏み出せない恋の苦しみ。
 それを解消するために彼らはそれぞれに言い訳を作る。
 自分の心に素直になれば楽になるのにそれが出来ない。
 「プロポーズ大作戦」でもそうだが、思春期の若者たちの恋の悩みのあり方は昔と変わらないようだ。
 少しオトナの校医の梅田北斗(上川隆也)は、「それ以上の感情を持ってはいけない」と自制する瑞希に「大人だね。ガキが大人ぶってんじゃねえ」とアドバイスするが動けない。

 そんな彼らの中で唯一、突っ走れたのは中津だった。
 こまりには「いなくなるとすごくヘコむやつがいる」と言って交際を断る。
 佐野には「お前が行かないんなら俺が連れ戻す」と叫ぶ。
 瑞希には「勝手言ってるんじゃねえよ」「お前が必要なんだよ。お前と高校生活送りてえんだよ!」と叫ぶ。
 かっこいい。
 人は自分の殻を破った時、光り輝く。

 佐野もそんな中津の勢いに便乗。
 「まだ跳んでない。おまえにまだ本当に跳ぶ姿を見せていない。だからいてくれ」
 佐野はきっかけがないと自分の行動を起こせないタイプらしい。
 佐野の言葉に目をうるませる瑞希。
 中津にしてみれば、せっかくの自分の告白を佐野に横取りされ、持って行かれた感じ。(→中津、かわいそう)

 キャラクター人気で中津が佐野より人気があるのはうなずける。
 中津の方がストレートでわかりやすい。行動で示してくれる。
 何も語らない佐野には感情移入しにくい。
 佐野は少女マンガでいう「王子様」なのだろうが、花沢類にはなりきれていない。類は少なくとも行動で示した。

 また面白いのは、瑞希と佐野に事件らしい事件がないことだ。
 通常は葛藤を解決に導くような事件が起こって主人公は結論を出すのだが、この作品にはそれがない。
 自分の中で完結し、悶々と悩んでいる。
 主人公とヒロインはもっとガチガチに絡まないと。
 事件らしい事件といえば、酔っぱらった佐野に「少しならいいだろう?」と言って添い寝するシーンだが、こんなシーンをもっとふやしてほしい。
 今回は練習するシーンや跳ぶシーンもなかったし、それでは佐野の「跳ぶことにかける思い」「瑞希への想い」は十分に描けない。
 物語はいよいよクライマックス。
 そろそろ佐野の輝きを見せてほしい。
 
★追記
 寮エピソードは「遅れてきた七夕」。
 今回は「寮対抗」でなく「恋人がいる者、いない者の対決」。
 恋人のいる者を邪魔しようとする所が面白い。
 
★追記
 中津の自問自答シーンが面白い。
 瑞希につれなくされるシーンも。
 「俺が部屋からいなくなってどうよ?戻ってやろうか」という中津に「いいよ」とフツーに否定する瑞希。
 こまりとのことも「お似合い」と言う瑞希。
 極めつけは次の瑞希のせりふ。
 「中津の様ないいやつに出会えてよかった」
 中津はあくまで「いいやつ」なのね。
 瑞希、いい加減、気づいてあげたら?

 そして、この作品の最大の見せ場は、瑞希が女だと知った時の中津のリアクションだ。
 視聴者が一番見たがっているのは、このシーンではないだろうか?

★エンディング
 大塚愛の曲が流れるエンディング。
 瑞希たちのカメラ目線がいい。新鮮だ。
 通常、ドラマではカメラ目線は見られないからね。


コメント (4)
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