平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

プリズンブレイク シーズン2 第14話

2007年08月24日 | テレビドラマ(海外)
 プリズンブレイク シーズン2 第14話「想定外」JOHN DOE

 今回もここに凝縮されているアクション映画の必須要素を考えてみる。

★力関係の逆転
 強い者、力のある者が弱い者を虐げる。
 これは現実社会の当たり前。
 ところがこれが逆転する時、カタルシスが起きる。

・マイケルとリンカーンを助け出したケラーマン。
 彼は彼の上司ビル・キムに牙をむく。
 「今、一番聞きたい言葉はありがとうだ」と言ってビルの命令を聞かない。
 そしてリンカーン無罪の証拠となる人物ステッドマンの所に連れていこうとする。「すべてを知っているケラーマン」
 キムが窮地に陥る瞬間だ。
 敵が困難に陥り、視聴者は拍手喝采を送る。
・キムが窮地に陥るのはマホーン(←生きていた)も同じ。
 「もう言うことを聞かない」というマホーン。
 彼の実行部隊が次々といなくなる。
 キムはマホーンの息子を引き逃げさせ、自分の言うことをきかないとさらに不幸が起こると脅かすが、マホーンは言うことをきかない。
 力を持つ者も実行部隊に背かれれば、ただの人なのだ。
 また敵にまわられれば、彼らはすべてを知っているだけにたちが悪い。
 権力の本質を描いて、視聴者は拍手を送る。

★感情の爆発
 プリズンブレイクはマイケルがそうであるように、極めて論理的な作品だ。
 キャラクターはそれぞれ頭脳戦を繰り広げる。
 そんな中で異彩を放つのは感情の爆発。
 ステッドマンを前にしてリンカーンが感情をぶつける。
 「お前はベロニカを殺した。大勢殺して俺の人生を台なしにして満足か!?」
 頭脳戦、駆け引きの中での感情の爆発はインパクトがある。

★狂気
 感情と同じ意味合いで狂気も作品に彩りを与える。
 まずはティバッグ。
 愛人のもとに行って家族として生きようと思うが、愛人に裏切られて狂気に変わる。家の扉を釘で打ちつけ銃を構えて「死んでも俺たちは家族だ」と言う。
 今回ふたつめの狂気は囚人たち。
 夜警の刑務官にコネのある囚人のボス・バンクスはベリックを脅す。
 夜、房から引きずり出して叩き殺すというわけだ。
 夜、囚人たちは叫ぶ。
 「ブラッドリー、ブラッドリー、ブラッドリー」(←ベリックの名前)
 この様に論理的頭脳戦の中に感情、狂気を入れ込むと作品が豊かになる。

★追記
 ステッドマンの姿の隠し様は手が込んでいる。
 歯を抜き、歯科のデータと照合できないようにし、指紋は焼いて消滅。
 頬骨、耳を数センチ上に上げる整形手術まで施している。
 これでは仮にステッドマンの写真が出ても、似ている人物として片づけられてしまう。


コメント
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