平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

医龍2 カルテ8

2007年11月30日 | 職業ドラマ
 カルテ8

★物語の構造
 小高七海(大塚寧々)の物語。
 物語の構造は今までの松平幸太朗(佐藤二朗)、外山誠二(高橋一生)と同じだ。
 過去に負った心の傷からの解放。

 七海の場合は自分の子供。
 仕事にのめり込んだがために息子智樹(本郷奏多)を半身不随にしてしまった。
 智樹のぜんそくの発作。母親・七海は不在。起きて病院に運ばれたが、そこの麻酔医の腕が悪く低酸素脳症。
 それは七海にとっては間接的なことだが、夫は許さない。
 子・智樹(本郷奏多)も七海を拒絶している。
 自分があの時、仕事をせずに家に帰っていたら、緊急手術に応じなければこの様なことにはならなかったという想いが七海にはある。
 そして、そんな過去から解放されるのがこの作品の場合、手術だ。
 智樹の手術。
 七海は父親に拒絶されて手術から外されている。
 だが、その手術の麻酔医は未熟で朝田龍太郎(坂口憲二)のスピードについていけない。
 葛藤の末、やって来る七海。

 今回はそこでの元夫とのやりとりがいい。
 手術室に入ろうとする七海に夫は言う。
「智樹はお前を憎んでいる」
 それに対して
「憎んでいい。憎めるのは生きているから」

★感動の作り方
 手術後のやりとりがまたいい。
 夫は「オペに入るなとは言ったが、病室に入るなとは言ってないぞ」
 智樹とは「売店に売ってた。チョコ好きだよね。僕も好きなんだ。はい。お父さんにはないしょだよ」
 父親に内緒でチョコを食べたことを智樹も覚えていた。
 思い出として覚えていてくれた。
 思い出の共有。
 『思い出を共有して心を通わせる』
 これはドラマになる。感動を作る。

 智樹はさらに七海の心のツボをつく。
 それは七海が一番言ってほしいこと。
 「手術に来てくれたんだって。待ってたよ、母さん。ずっと待ってた。来てくれると思ってた」
 『待ってたよ、来てくれると思ってた』
 自分が一番言ってほしいことを人が言ってくれる。
 これは人生の至福の時。
 例えば恋愛ドラマでも主人公は「愛してる」と言われるために戦っている。

 このシーンの七海はかわいい。
 智樹の部屋に入って「退院前の問診です」・笑
 ツッぱってた彼女が思春期の若者の様に人にどう接していいかわからないでいる。
 そして大泣き。

★伏線
 今回は伏線が効果的だった。
 前回、レストランでプレゼントを持って七海が待っていた人物とは?
 七海がチョコレートに依存する理由とは?
 荒瀬門次(阿部サダヲ)との関係は?
 それらが一度に明らかになる。

★伊集院以外、全員集合
 ラストは「医龍」お馴染みのスローモーション。
 朝田が歩き、藤吉が、外山が松平が、MEの野村が、そして七海が合流する。
 「医龍」の見せ場。
 歌舞伎で言えば見栄を切るシーン。特撮戦隊物でもそう。
 次回はミキや荒瀬も合流するらしい。
 一方、伊集院(小池徹平)。
 才能ってあるのかな?
 ラストのクライマックスは伊集院のドラマになりそうだ。


コメント
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