第3話 「さよなら…私の赤ちゃん」
★父の愛、母の愛
危機の中で見えてくるものがある。
平和な日常生活で「愛している」「大事に思っている」と言ってもなかなか伝わらないが、危機の中で出る言葉は真実だ。
子供をおろすために病院に向かう未希(志田未来)たち親子。
雨。
父親の忠彦(生瀬勝久)は信号待ちの時言う。
「お前が生まれた時は晴れていた。こんな嬉しい時に晴れているなんて俺の人生もまんざらじゃないなと思った」
未希が生まれた時の喜びを素直に話す忠彦。
そして続ける。
「お前が生まれた時からずっと味方だから。いろいろ言ったけど心配することなんてない」
どんなことがあっても自分は未希を愛し続けるという表明。
母・加奈子(田中美佐子)も未希といっしょのベッドに入って言う。
「いっしょに寝てあげる。世界で未希のことが一番大事」
「こうやって生まれてきたのは奇跡。この子に出会うために私は生まれてきたんだと思った」
多くの哲学者、宗教家、文学者が『人生の意味』を小難しく語っているが、加奈子は自分の人生の意味をこんなふうにやすやすと語ってみせる。
子を愛し育てる。
受け継ぐ生命を残して死んでいく。
生命の連なり。
人生の真理とは実はシンプル。
★「この子に出会うために生まれてきた」
未希もこの母の言葉に深く共鳴したらしい。
純粋にこの真理のために生きようと思う。
お金や名誉、社会的な成功……、そんなものは幻。枝葉末節。
一番大事なものは愛する子供。
そのことに気づく未希。
彼女にはDJになる夢があったが、DJになることと生まれてくる子供、子供の方が大事だと思う。
子供をおろして忘れることなど出来ない。忘れて幸せなんかになれない。
「この子に出会うために生まれてきた」
このせりふは深い。
この一言で14才の未希は『母親』に変わる。
『母親』の強さも持つ。
周囲の目に曝される。
友達も引く、学校もやめなくてはならない。
子供に出会うことは今までの自分を捨てること。
それでも会いたい。
風に立ち向かう覚悟。
僕などの俗物は周囲の大人の意見、「子供を育てるのは大変なこと」「経済的な負担はどうするんだ」と言ったものに傾いてしまうが、一方で未希の純粋な想いと覚悟が気にかかる。
突きつめて考えてみなければと思ってしまう。
※追記
未希が「嫌いじゃない」と言った智志(三浦春馬)に気持ちを確認する時のせりふ。
「嫌いじゃないけど好きでもない? 嫌いじゃないのイコール(=好き)?」
智志は答える。
「イコールの方」
かわいいやりとりだ。
※追記
週刊トップの波多野(北村一輝)のせりふ。
「スキャンダルをほじくりだして埋めるのが三流週刊誌のプライド」。
三流週刊誌なりにプライドはあるのだ。
波多野の生き様でもある。
※追記
相変わらず産婦人科医・春子(高畑淳子)はかっこいい。
おろしにきた未希に
「ずいぶん苦しんだね。でも間違った結論じゃない」
「出産は命がけ。勉強や世間の目はどうにでもあるけど、あなたが死んだらどうにもならないでしょう」
こう言われて苦しんだ未希はどんなに救われたことか。
他人の気持ちを理解して適切なコメントを述べられるキャラは魅力的だ。
★父の愛、母の愛
危機の中で見えてくるものがある。
平和な日常生活で「愛している」「大事に思っている」と言ってもなかなか伝わらないが、危機の中で出る言葉は真実だ。
子供をおろすために病院に向かう未希(志田未来)たち親子。
雨。
父親の忠彦(生瀬勝久)は信号待ちの時言う。
「お前が生まれた時は晴れていた。こんな嬉しい時に晴れているなんて俺の人生もまんざらじゃないなと思った」
未希が生まれた時の喜びを素直に話す忠彦。
そして続ける。
「お前が生まれた時からずっと味方だから。いろいろ言ったけど心配することなんてない」
どんなことがあっても自分は未希を愛し続けるという表明。
母・加奈子(田中美佐子)も未希といっしょのベッドに入って言う。
「いっしょに寝てあげる。世界で未希のことが一番大事」
「こうやって生まれてきたのは奇跡。この子に出会うために私は生まれてきたんだと思った」
多くの哲学者、宗教家、文学者が『人生の意味』を小難しく語っているが、加奈子は自分の人生の意味をこんなふうにやすやすと語ってみせる。
子を愛し育てる。
受け継ぐ生命を残して死んでいく。
生命の連なり。
人生の真理とは実はシンプル。
★「この子に出会うために生まれてきた」
未希もこの母の言葉に深く共鳴したらしい。
純粋にこの真理のために生きようと思う。
お金や名誉、社会的な成功……、そんなものは幻。枝葉末節。
一番大事なものは愛する子供。
そのことに気づく未希。
彼女にはDJになる夢があったが、DJになることと生まれてくる子供、子供の方が大事だと思う。
子供をおろして忘れることなど出来ない。忘れて幸せなんかになれない。
「この子に出会うために生まれてきた」
このせりふは深い。
この一言で14才の未希は『母親』に変わる。
『母親』の強さも持つ。
周囲の目に曝される。
友達も引く、学校もやめなくてはならない。
子供に出会うことは今までの自分を捨てること。
それでも会いたい。
風に立ち向かう覚悟。
僕などの俗物は周囲の大人の意見、「子供を育てるのは大変なこと」「経済的な負担はどうするんだ」と言ったものに傾いてしまうが、一方で未希の純粋な想いと覚悟が気にかかる。
突きつめて考えてみなければと思ってしまう。
※追記
未希が「嫌いじゃない」と言った智志(三浦春馬)に気持ちを確認する時のせりふ。
「嫌いじゃないけど好きでもない? 嫌いじゃないのイコール(=好き)?」
智志は答える。
「イコールの方」
かわいいやりとりだ。
※追記
週刊トップの波多野(北村一輝)のせりふ。
「スキャンダルをほじくりだして埋めるのが三流週刊誌のプライド」。
三流週刊誌なりにプライドはあるのだ。
波多野の生き様でもある。
※追記
相変わらず産婦人科医・春子(高畑淳子)はかっこいい。
おろしにきた未希に
「ずいぶん苦しんだね。でも間違った結論じゃない」
「出産は命がけ。勉強や世間の目はどうにでもあるけど、あなたが死んだらどうにもならないでしょう」
こう言われて苦しんだ未希はどんなに救われたことか。
他人の気持ちを理解して適切なコメントを述べられるキャラは魅力的だ。