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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

オトコの子育て

2007年11月24日 | ホームドラマ
 「結婚できない男」そして「オトコの子育て」、脚本家・尾崎将也ワールド。
 共通しているのはまわりと異質なオトコが巻き起こす摩擦とドラマだ。

 「結婚できない男」の桑野信介(阿部寛)はひとりが大好きな中年おたく。
 「オトコの子育て」の矢野篤(高橋克典)はいい加減オトコ。自分には資格がないとして子供は放任。子供のすることに「まあいいんじゃないの」で済ませる。マスターの大平万作(加藤茶)は「心の奥には深い傷があってヘラヘラしてるだけじゃないの?」と言うが、本当にヘラヘラしてるだけらしい。

 こんな篤だからまわりとの摩擦は絶えない。
 凛子(夏居瑠奈)、そして弥生(国仲涼子)がそうだ。
 凛子は拒絶。
 弥生は篤のすることにいちいち突っこむ。
 ニセ育毛剤のセールスをすることに心を痛めていたという篤に「一応、痛むんだ」。
 でも販売実績はよかったという篤に「結局(会社に)いたんじゃない」。

 これは「結婚できない男」で信介にまわりが怒り出すのと同じ図式だ。
 これが尾崎ワールド。

 さてこうしたキャラクター、人間関係の中で描かれるドラマとテーマだが、説得力がある様に描ききるのはなかなか難しい。
 理由は篤がいい加減キャラで、金八先生の様にストレートに暑苦しく問題に向き合わないからだ。
 篤は問題が起こると「まあいいんじゃない」でかわす。解決するために積極的に関わらない。
 事の推移を見守っていて最後にメッセージを送る。

 第4話では「男は見た目じゃねえってわかっただろう? これで男を見る目が出来ただろう?」「いずれ本当にお前のことを愛してくれる男が現れるさ。楽しみだな」
 第5話では「夢なんて他人と比べるもんじゃないだろう?自分にとって大切なものが夢だろう」「とりあえず持つなら大きな夢をみようや」

 篤は事件を体験したキャラが心に抱えているもやもやとしたものを言葉にしてあげるだけ。
 言っていることは「なるほど」と思うのだが、主人公が問題に積極的に関わっていくドラマを期待している人には物足りないだろう。
 なかなか難しい作劇だ。

 どうしても比較してしまうが、ドラマとしては「結婚できない男」の方がよく出来ている。
 信介の言動を通して、『ひとりでいること』『家族を持つこと』の意味をいい悪いでなく、考えさせられてしまう。

※追記
 付箋を貼った凛子のなりたい職業への篤のコメント。
・キャビンアテンダント……「大変な仕事だ。空の上で立ちっぱなし、いやな客もいるだろう。でも男にモテるし、いいか」
・建築家……「収入がいいな。5000万の家を建てるとして手数料は10%の500万。これに事務所の経費とアシスタントの給料を差し引いて。でも年に建てられるのはそんなに多くはないから割りのいい仕事じゃないな」

 これは、本の力を借り他人と同じ様な夢をみようとする凛子への篤の指導であろうか? それとも思ったことを言っただけだろうか?

 
コメント
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